コロナ禍にあっても、粘り強い対応を続けて感染者の抑制に努めているベトナム。他国同様、経済にダメージを受けていますが、不動産市場は活況で価格上昇も続いています。しかし、外国人の立場での不動産投資となると、事情は大きく異なります。いま静観すべき理由と、今後の狙い目となる不動産の条件について取り上げます。現地で不動産ビジネスを展開する筆者が、ベトナムにおける不動産投資の注意点を解説します。

 

③販売価格のバランスが崩れてきた

 

ベトナムでは今年の中旬頃まで、不動産関係のニュースやSNSなどでマンションの販売好調(即時完売等々)の記事が取り上げられていました。しかし実際には、即日完売はありませんでした。「供給不足によって販売価格が上昇している」といった楽観的な話が多く見られましたが、実際には立地とくらべて販売価格が合わないプロジェクトもあり、大手デベロッパー、日系・外資プロジェクト等々、前評判だけが先行して投資価値に反比例するプロジェクトが見受けられます。

 

現状では、ベトナム人が居住や資産形成を目的にマンションを購入するケースは少なく、土地や戸建てが購入されるケースが圧倒的に多いのです。マンションは短期的な投資との位置付けでの購入が大多数で、とくに銀行から融資を受けて短期転売されることが多く、価格も中級以下近辺での動きとなります。

 

いまはネット上にもベトナム人の短期転売物件が溢れており、原価割れでの権利販売や支払い不履行による販売代理店からの売出物件も見られます。なかにはお得な物件もありますが、短期転売は敏速な対応が必要になるため、海外に居住している外国人投資家には不向きです。

 

ただし、以上の3点を踏まえたうえでも、今後の法改正などにより、外国人のマンション購入制限が、現在の販売条件である棟の30%から50%へと引き上げられたり、戸建ての購入が可能になったりすることがあれば、外国人投資家にも大きなチャンスがあるといえます。

 

今後のアジア、ASEANを含むベトナムの状況からも、経済発展は継続すると想定されますので、その点を考えれば、ベトナム不動産全体のポテンシャルが高い状況は当面続くと思われます。

 

これからのベトナムで不動産投資するうえで重要となるのは、焦らず、じっくりと、よい物件を目利きしていただくことです。常に不動産市場の状況を見ながら、投資チャンスを待つのが、いまのベトナム不動産市場に適した投資姿勢です。

 

現地で不動産を扱っている筆者からのアドバイスですが、マンション(コンドミニアム)を購入するなら、不動産選びの基本である立地を重点的に考え、できるだけ都心に近い物件、または交通のよい物件、あと外国人の所有している中古物件の適正価格物件等を狙いましょう。とくに来年からMETRO(都市鉄道)順次開通して行きます。こちらも駅近、駅直の適正価格物件は狙い目です。

 

 

徳嶺 勝信
VINACOMPASS Co., Ltd.
General Director

 

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