インド株は最高値を更新
コロナショックで一時急落
■2020年のインド株式市場は年初に過去最高値を付けた後、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により3月にかけ急落しました。しかし、各国政府による大規模な財政政策や積極的な金融緩和策が打ち出されたことを受けて、世界経済の底入れが意識されるなか、インド株式市場は3月下旬を底に大きく反発し、上昇に転じました。代表的な株価指数のSENSEX指数は、3月下旬を底に上昇基調となり、足元では、新型コロナウイルスのワクチン開発による経済正常化への期待から、過去最高値を連日更新する展開となっています(12月9日時点)。
景気後退下、上昇に転じたEPS
■インドの実質GDP成長率は前年同期比で、4‐6月期▲23.9%、7‐9月期▲7.5%と、2四半期連続のマイナスとなり、景気後退局面に入りましたが、SENSEX指数の予想一株当たり利益(EPS)は、企業の景況感の改善とともに6月以降上昇に転じており、業績改善予想が株価上昇を後押ししているとみられます。
■また、グローバルなリスク選好相場が継続するなか、外国人投資家によるインド株への買い越し額が急拡大しています。海外マネーの流入が加速し、SENSEX指数を押し上げたとみられます。
グローバルな景気回復期待で堅調な地合いが続く
■新型コロナウイルスのワクチン開発に伴うグローバルな景気回復への期待を背景に、投資家のリスク選好意欲が強まるなか、インド株式市場は2021年にかけて堅調な地合いが続くとみられます。今後も企業の景況感の回復により業績予想が改善していることや、海外からの投資資金の流入が相場を支えそうです。ただし、株価評価はやや割高感が出ていることから、スピード調整が起こる可能性には注意が必要です。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年のインド株式市場の振り返り』を参照)。
(2020年12月11日)
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