鉱工業生産は7.0%増
小売売上高は5.0%増
■中国国家統計局は15日、主要経済指標を発表しました。11月の鉱工業生産は前年同月比+7.0%と、前月の+6.9%から伸び率がわずかながら拡大し、8ヵ月連続のプラスとなりました。品目別の生産量をみると、コロナショック以降の在宅勤務増加で需要が増えたコンピューター(+25.4%)や、産業用ロボット(+31.7%)などが高い伸びとなりました。
■11月の小売売上高は前年同月比+5.0%と、前月の+4.3%から伸び率が拡大しました。業種別にみると、新型コロナの影響から飲食業は▲0.6%と引き続き出遅れているものの、新車販売が好調な自動車(+11.8%)に加え、化粧品(+32.3%)や宝飾品(+24.8%)などが堅調でした。
固定資産投資は2.6%増
民間投資がプラス転換
■1~11月の固定資産投資は前年同期比+2.6%と、1~10月の+1.8%から伸び率が拡大しました。内訳をみると、約6割を占める民間投資が+0.2%と、今年初めてプラスに転換しました。また、不動産開発投資は+6.8%と、6ヵ月連続で前年を上回りました。
10-12月期のGDP成長率は加速へ
■11月の主要経済指標はいずれも前月から伸び率が拡大し、中国経済の回復ペースが加速していることを示しました。中国政府は、2020年末まで積極的な財政政策を継続する方針を7月30日の党中央政治局会議で決定しており、鉱工業生産、固定資産投資ともに伸び率の拡大が続くとみられます。これらに加えて、消費も持ち直していることから、10-12月期の実質GDP成長率(前年同期比)は、7-9月期の+4.9%からさらに加速すると見込まれ、弊社は+6.1%を予想しています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国経済の回復ペースは加速』を参照)。
(2020年12月16日)
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