「礼儀はないのか」有料老人ホームの介護…税金が8、9割!?

もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

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権利行使の仕方にも「礼儀作法」は必要ではないか?

介護保険制度と有料老人ホームについて

 

有料老人ホームの運営資金は、公的な介護保険報酬と入居者が負担している利用料、つまり家賃や管理費などで賄われています。ちなみに、介護保険報酬の原資は、40歳以上の国民が負担している介護保険料と、行政が負担する税金です。端的に申し上げると、こういうことになります。

 

とくに、介護保険報酬には多額の税金が投入されていますから、老人ホームの入居者や家族も、公的資金によって自分たちの介護ケアは維持されているのだということを理解する必要があります。

 

老人ホームの入居者や家族も、税金によって介護ケアは維持されていることを知るべきだという。(※写真はイメージです/PIXTA)
老人ホームの入居者や家族も、税金によって介護ケアは維持されていることを知るべきだという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

もう少し詳しく確認していきましょう。たとえば、介護付き有料老人ホームの場合、要介護2を認定された入居者が入居した場合、自己負担である月額利用料(家賃、管理費、食費など)とは別に、介護保険報酬として約20万円を国の保険機関から有料老人ホームは受け取ることができます。厳密に申し上げますと、介護保険制度には利用者負担が若干あります。入居者の自己負担額が1割負担の入居者の場合は、20万円の1割である2万円を自己負担し、18万円が保険機関から有料老人ホームに支払われます。

 

私が何を皆さんに訴えたいのかというと、有料老人ホーム内で提供される介護サービスは、おおむねが公的費用で賄われているということです。よく介護保険関係者が、介護サービスは個別の契約に基づいて提供されるものであり、利用者には「権利がある」というたぐいの話をしますが、私は、それはまったくの間違いだと考えています。

 

もちろん、介護保険がなく、前出の話の場合、20万円全額を自己負担で有料老人ホーム側に支払っているのであれば、権利があることに否定はしません。しかし、入居者側は、たった1割か2割しか負担してはいないのです。これで「権利がある」と主張することに対しては、大きな違和感を覚えます。百歩譲って権利があることは認めてもいいですが、権利行使の仕方にも「礼儀作法」はあるのではないでしょうか。

 

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株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」

誰も書かなかった老人ホーム

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小嶋 勝利

祥伝社新書

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もはや老人はいらない!

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