発達障がいについて語られることが多くなった昨今。本記事では書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「こころの問題」をひも解いていきます。

子どもの自尊心を守る

学校の規則や社会のルールを無視する行動を何度も繰り返すというのがCD(Conduct Disorder)です。

 

「人や動物に対して脅迫・威嚇する」「取っ組み合いのケンカをする」「危害を与えるような武器(バット・包丁・銃など)を使用したことがある」「動物に対して残酷な行為をしたことがある」「強奪・ひったくり・強盗をしたことがある」「性行為を強いたことがある」「故意に放火したことがある」「他人の住居に侵入したことがある」「嘘をつく」「万引きしたことがある」「夜遅くの外出・外泊がある」以上のうち3つが存在するというのが、一つの診断基準です。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

警察沙汰になってしまったり、中には親が家に警察を呼んだりするケースもあります。

 

先日クリニックを受診した大学法学部志望の高校生は、恐喝および窃盗が2回めだったことから鑑別所に入れられてしまいました。外来では笑顔で話せるいい青年ですが、診察は腰ヒモと手錠をつけたまま鑑別所の職員と一緒になります。

 

人目もあるのでなるべく早く診察してあげています。できるだけ早く専門医に診せ、ADHDを見つけて治してあげれば、このように症状が進行することを防げます。

 

「もしも子どもが発達障がいとわかったら傷つくのではないか」と感じ、診断を躊躇(ちゅうちょ)している方もいらっしゃいますが、思春期に入り自我に目覚めている彼らは、自分と他人の違いを敏感に察しており、その違いの原因がわからず悩んでいることが多く見受けられるのです。

 

放っておくと、思い悩んで自分で自分の自尊心を傷つけてしまい、「死にたい」と涙ながらに親御さんに訴えるなど、うつ的な状態に陥ってしまう危険性もあります。

 

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新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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