2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの中小企業が苦境にあえいでいます。そのような状況のなか、企業が再生していくために必要なものはなんなのでしょうか。また企業が再生できず、破綻に追い込まれる原因はなんなのでしょうか。考えていきましょう。※本連載では、企業再生のスペシャリストである坂本利秋氏が、中小企業が経営難を乗り切る方法を解説していきます。

このままでは「破綻企業」が増え続ける

筆者は現役の企業再生コンサルタントであり、最近では企業再生講座をおこなっていることから、企業再生に関係する制度を日々ウオッチしています。

 

とうとう来年1月をもって当初の予定通り、持続化給付金が終了するようです。

 

国内の企業数358万社に対し、前年同月比50%以上の減少を条件とする持続化給付金の給付件数は、経済産業省の発表によると実に372万件、給付金額は4.9兆円に達しています。

 

表立って言いにくいですが、多くの中小企業経営者は各給付金、助成金、新型コロナ特別融資でどうにか食いつないでいるのを自覚しています。いつかはわかりませんが、間違いなく現在の特別な補助金、融資は終了する時が来ます。それを前提にアフターコロナの世界を想像してください。コロナ前から70%の中小企業が赤字であり、さらにコロナ間に借入が膨れ上がっていることから、過大負債&赤字でほとんどの会社が破綻寸前に陥っているでしょう。何も手を打たなければ、史上最悪の破綻ラッシュが到来します。

 

中小企業経営…万事休す(※画像はイメージです/PIXTA)
中小企業経営…万事休す(※画像はイメージです/PIXTA)

 

回避策は一つです。コロナ禍で企業再生、つまり黒字化を実現することにつきます。残念ながら現在の中小企業経営者にそのノウハウはありませんし、本来であれば支援する立場にある方々にも知識・経験がありません。

これからは「企業再生ノウハウ」が必須となる

破綻寸前企業が続出し、それを再生できる人材がいないのでは未来に希望が持てません。

 

いえ、違う見方もできるはずです。

 

再生を必要とする膨大な数の中小企業という巨大市場が出現します。不足しているのは企業再生を行う意思のある集団と、その集団に向けた学びの場です。

 

中小企業経営者、中小企業診断士・コンサルタント、銀行員は企業再生を身に着けるべきです。現在、打ち手が無く、比較的時間的余裕のある中小企業経営者は、今こそ学ぶべき時です。会社の事、業界の事はだれよりも知っているはずですから、再生ノウハウを学べば自身による自社の再生の可能性が見えてきます。

 

多くの顧客が業績悪化していることから、中小企業診断士・コンサルタントは新規契約獲得どころか、顧問契約が打ち切りとなっているでしょう。顧問先を救済し顧問契約を継続させるため、また新たな収益源として企業再生ノウハウが有効です。

 

地銀再編の動き、みずほ銀行による週休4日制の導入のように銀行員を取り巻く環境は激変しそうです。多くの銀行員が融資を始めとする財務の知識、営業力を十分に有しています。ここに企業再生ノウハウを身に着ければ銀行内においても活躍の場が広がるはずです。

 

残るは企業再生を学ぶ場です。

 

残念ながら実践的な企業再生を学ぶことができる場はあまり多くありませんが、自身で申し込んで再生講座を受講する、外部より講師を招聘し社内勉強会を開催するなどが現実的な選択肢になります。ぜひ、ネットで比較検討し、可能であれば無料説明会などに参加したうえで判断しましょう。

 

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