相続トラブルは、誰の身にも起こり得る大きな悲劇です。故人が遺してくれた財産を巡り、親族で骨肉の争いが繰り広げられる…具体的にはどのような「喧嘩」が発生しているのでしょうか? 新月税理士法人の佐野明彦氏が、事例をもとに解説します。

相続人が続々と登場!10年相続争いが続いた結果…

そして、ご長男が事務所にいるのをどこかで見聞きしたのでしょうか、彼が帰るのを見計らったように、今度はご長女が突然事務所に来られました。それから「長男には内緒で」と、財産分割についての自分の想いを延々とお話しされ、ひとしきり自分の故人への献身を語られた後、ご長女は満足したような顔で帰って行かれました。

 

 

ほっと一息しようとした時、今度は、ご次男がこれまた彼女が帰るのを見計らったかのように事務所に来られたのです。そして「あの二人はけしからん」と怒鳴り、「故人の生前に貢献したのは自分だ」と拳を振り上げて言われたのです。

 

担当者である税理士は、三人のお話をとにかくじっくりと聞くことにしました。そんな日が1か月も続いたでしょうか、何度か協議の場所を設けましたが、決着しそうかに見えても、また不満が噴出してやり直しという協議が何度も繰り返されました。とうとう各人の弁護士が出てくるありさまで、分割協議に私たちの入り込む余地はなくなってしまいました。

 

結局、複雑な経緯を経てもめにもめた結果、協議がまとまらないまま10年ほどが過ぎていきました。その間、当事務所としては亡くなったお客様が遺した賃貸マンションの確定申告を行うことでお付き合いは続けていました。

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妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

佐野 明彦

幻冬舎メディアコンサルティング

どんな男性も妻や家族に隠し続けていることの一つや二つはあるものです。妻からの理解が得にくいと思って秘密にしている趣味、誰にも存在を教えていない預金口座や現金、借金、あるいは愛人や隠し子、さらには彼らが住んでいる…

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