「捨ててもいい」ものなら、その旨を書き遺すべき
年を重ねていくたびに、足腰が不自由になり、生活動線の変化からの家財整理が必要となる、ゴミ出しができずに部屋がゴミで散らかってきてしまった場合にも、健全な住環境へ戻すための生前整理が必要です。
また、施設へ入所される際には、必要な家財を仕分け整理していくことも必要になってきますし、賃貸物件の場合では、明け渡しを要する為に、必要な物を仕分けした後に、不要物の仕分け整理を行う必要があります。
また、これまで遺品整理のご依頼を頂いた依頼者様(故人のお子様方)から、
「父母は物をため込む性格で、何年も使っていない布団や座布団なども、いつかは使う時が来るからと言って、ため込んでいたんです」
「なかなか物を捨てる事ができない親で……」
などのお話を伺いました。
どのようなものであっても、大切に使用し、保管されている方が多く、いつかは子供たちが使ってくれると感じている方も少なくありません。また、一昔前は写真一つとっても、フィルムカメラで、撮影した写真を全て現像しなければいけなかったので、必然的に写真・アルバムもたくさん残っています。そして、遺品整理の際に依頼者(故人のお子様方)が一番整理するのに困る品物が、お写真や沢山の想い出の品物になります。
全部残しておくことができれば問題ないのですが、現在住んでいるお家には沢山の写真や想い出の品物を保管する場所がないなどのお悩みがあり、どうしたら良いのかに困られております。
「捨ててもらっても構わない」と思っていても、いざ処分するとなると、なかなか踏み出せないものです。ご自身の意思をメモに残したり、家族で話し合うだけでも、生前整理の第一歩になります。
生前整理を始めるうえでの「ポイント」は?
ご自身での生前整理のポイントとしては、和室などの押し入れからスタートするとよいかと思います。基本的に日々使用していない物や、押し入れ上部の天袋などには、贈答品として頂いた物が詰め込まれていたするからです。
季節ものの衣類などは別として「なんとなく保管している物」については、今後も使わないものばかりだと思います。たとえば、何年も使用していないお布団の山であったり座布団、季節が変わっても着ない衣類などは、いつか使うと思っていても使わないままです。
ご自身で行う場合は、この様な所からスタートしてみるとスムーズに行うことができます。また、未使用の贈答品などは、リサイクルショップに売る方法や、地域のバザーや施設などに寄付することも可能です。
さらに、生前の対策として、残して欲しいものや捨ててもいいものなどをリストに残しておくことも大切なポイントです。実際に物を整理・処分していくのは難しい方であった場合でも、自身の死後の家財の取扱いを記録に残しておくことが、遺されたご家族様を想う生前整理になるでしょう。
リストの書き方は自由ですが、難しく考えずに、まずは書けるだけ書いていき、後から読み返すことで、さらに絞っていくことができます。
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