リタイア後の生活費は「35.4万円」必要
子育てが終わり、ご主人は無事に定年を迎えることができました。30歳で住宅ローンを組んだ方であれば、住宅ローンの返済も終わっているはずです。あとは、支払いが済んだマイホームを保有しつつ、年金をもらいながら、悠々自適の生活を送るだけです。しかし、定年後の生活はそんなに甘いものではありません。
事実、リタイアした後も仕事をしている人は少なくありません。電通総研が行った『「シニア×働く」調査』によると、かなりの割合で定年後も働いている方がいると分かります。具体的には、男性で約72%、女性で約55%の人が定年後も働くことを継続しているそうです。
特に男性の場合は、60代前半・後半にかかわらず、全体の7割以上の人が定年後も仕事を継続しているとのことです。このような結果から考えると、定年後も働くのは特別なことではなく、常態化していることといえそうです。その理由はどこにあるのでしょうか。
端的に考えると「仕事に対する意欲」が動機となっていると思えますが、必ずしもそうとは限りません。例えば、定年後の生活にどのくらいの費用がかかるのかご存知でしょうか。
生命保険文化センターが発表している『生活保障に関する調査(平成25年度)』によると、日常生活を送るための最低額で22万円、その他の金額で13.4万円。トータル35.4万円とされています。
確かに会社勤めをしていたときは、それ以上の支出をしている方が多いはずです。そうなると、定年後だからといって急激に減ることは考えにくいのです。住宅ローンを完済していても、日常生活と余暇にかかる金額は決して少なくありません。
◆高まる年金への不安
「年金があるから大丈夫」と楽観視している方もいるかもしれません。確かに年金があれば、定期的な収入を得られます。出費を補うだけのお金が得られると考えている人も多いかもしれません。ただ、本当に年金は支払われるのでしょうか。