発達障がいと思春期による反抗期が重なったときは
高校はフレックススクールでも良かったのですが、結局、通信制に入りました。宿題もきちんとこなし、自ら薬を飲み、いつしか外来ではマスクを外して普通に会話ができる状態にまでなりました。食事もきちんと食べており、体重も増えました。
うつ病や自律神経失調症とともに、自閉スペクトラム症の症状も落ち着いてきたので、外来は4カ月に1回程度のペースになりました。相変わらず深夜2時に寝て朝6時に起きるペースですが、昼まで寝なくなってきたのです。
Dさんのケースでは、地道に外来で薬を処方しながら患者さんやその母親と向き合っていくことによって症状が改善されたのです。もちろん薬の効果もあったのでしょうが、きちんとお互いのことを別々に外来に呼んで聞いてあげたことが良かったように感じています。
お互いの仲をサポートしてあげることで、相性も良くなり一緒に買い物に行けるまでになったというわけです。自分以外の人間と関わる、いつも行動する範囲以外に行くというのは、不登校のお子さんにとっては大きな一歩であり、Dさんの治療におけるターニングポイントであったと思います。
発達障がいと思春期による反抗期などが重なると、親御さんもお子さんとの接し方に不安を覚えることがあるでしょう。そんな時は、お子さんの主治医にその悩みを打ち明けてみてください。専門医であるならば、いろいろと細かなアドバイスをもらえることでしょう。
鈴木 直光
筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)
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