本連載は、2016年8月27日刊行の書籍『開業医の相続対策は「奥様」がやりましょう』(幻冬舎MC)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

このタイミングで!? 後継者である息子に…

さて、法人化のメリットは他にもあります。理事長に退職金を出したことで一時的に法人の利益が減り、出資持分の評価が大きく下がりました。このタイミングで、後継者である息子さんに、出資持分を相続時精算課税制度で贈与しました。

 

 

将来、相続が発生したときに、贈与した分は相続財産に持ち戻して相続税の計算をすることになりますが、相続時精算課税制度は「贈与した時点」で価格を固定できます。持分評価の低いときに金額固定ができたので、息子さんがこれから頑張ってたくさん利益を上げても、それが相続税にはね返ることは一切ありません。遺留分にも反映しません。

 

もしも、このタイミングで出資持分を移転できなかったとしたら、息子さんが頑張れば頑張るほど、相続税が高くなってしまうという事態が起こっていたでしょう。

 

息子さんの代になっても、クリニックは丁寧な診療で評判で、大変繁盛しています。

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本連載は、2016年8月27日刊行の書籍『開業医の相続対策は「奥様」がやりましょう』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

開業医の相続対策は 「奥様」がやりましょう

開業医の相続対策は 「奥様」がやりましょう

芹澤 貴美子

幻冬舎メディアコンサルティング

開業医は、今、目の前にいる患者さんの命と健康を預かる、専門的な職業です。新しい医療技術のこと、新薬のことなど、たくさんの情報を常に仕入れていなくては務まりません。なかなかお金の知識を得るための時間はないのが現実…

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