このタイミングで!? 後継者である息子に…
さて、法人化のメリットは他にもあります。理事長に退職金を出したことで一時的に法人の利益が減り、出資持分の評価が大きく下がりました。このタイミングで、後継者である息子さんに、出資持分を相続時精算課税制度で贈与しました。
将来、相続が発生したときに、贈与した分は相続財産に持ち戻して相続税の計算をすることになりますが、相続時精算課税制度は「贈与した時点」で価格を固定できます。持分評価の低いときに金額固定ができたので、息子さんがこれから頑張ってたくさん利益を上げても、それが相続税にはね返ることは一切ありません。遺留分にも反映しません。
もしも、このタイミングで出資持分を移転できなかったとしたら、息子さんが頑張れば頑張るほど、相続税が高くなってしまうという事態が起こっていたでしょう。
息子さんの代になっても、クリニックは丁寧な診療で評判で、大変繁盛しています。