ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

SEOに予算を割くかどうかの判断は難しい

広告枠を持つ媒体の所有者も、アドネットワーク事業者に枠を提供すれば小口のお客さんを集めてローテーションしながら空き枠を埋めてくれます。出稿する方も媒体側も便利だということで、今ではウェブ広告の主流になっています。

 

後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)
後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)

このネットワーク系の進化版がDSPで、SNSとともに比較的新しい第三世代となっています。また動画広告や、記事に広告の要素を織り込んだネイティブ広告も新たな市場を形成するようになりました。

 

SEOは手間もコストもかかる

 

SEOは、前にも述べたように、サイト内にテキストを増やすというやり方が主流となっています。SEO会社か、場合によってはクライアント企業がサイトの内容にふさわしいテキストを制作し、サイトにアップしてコンテンツを充実させていきます。

 

しかしいくらコンテンツが充実していても、あるところで掲載順位がなかなか上がらなくなります。すると次は、外部の良質なサイトからのリンクを増やしていきます。

 

SEOでは自社サイトの中にテキストを入れていくのを内部対策、外部のサイトからリンクを張るのを外部対策といいます。その両方をやっていくことによって、掲載順位が上がることが期待できます。

 

どんなサイトが外部リンクに適しているかといえば、たとえば化粧品会社ならシミやシワの対策を紹介するようなハウツーサイトなどがあります。ただ単純にそこを訪問しただけでも見る価値があるようなクオリティがないと、優良サイトからリンクを張っていることになりません。

 

このようなサイトはサテライトサイトと呼ばれたり、自社サイトのほかに企業が所有している媒体であることからオウンドメディアともいいます。

 

またコンテンツの質を高めることでマーケティングにつなげるやり方を、コンテンツマーケティングということもあります。

 

サイトを継続して更新しないと、検索エンジンからは動きのないサイトと見なされて順位が上がらなくなる理由のひとつになります。ですからオウンドメディアと呼ばれるサイトも、自社サイトと同様にテキストを増やし続ける作業が必要です。複数のサイトのコンテンツを作り込むのは大変なので、ここまで来るとたいていはSEO会社に頼むことになります。オウンドメディアをいくつも持ち、定期的に更新している大手企業だと、このようにして検索の掲載順位を維持するだけで毎月何百万円もかけています。

 

これまでSEOがウェブマーケティングで重要な位置を占めてきたことに、疑いの余地はありません。しかしネットで検索をする時間は以前と比べてどんどん短くなっています。ニュースサイトやキュレーションサイト、ブログ、SNSなどに費やす時間の方が圧倒的に長く、フェイスブックの投稿や広告などからも情報が得られるようになっています。それだけ世の中に溢れる情報が増えて、検索しなくても手に入るともいえます。

 

そうなると、ほかにもプロモーションの手段がたくさんある中でどこまでSEOに予算を割くのかは判断するのが難しいところです。

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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