「かっこいいデザイン」しか考えない経営者が陥る落とし穴

ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

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ブランディングとプロモーションは両立しない

かっこいいデザインにこだわり過ぎてしまう

 

中小企業のコーポレートサイトでも、昔作ったままだったり、社内で制作した手作り感が残るものだったりすると、ちゃんとした制作会社にデザイン重視で作り直してもらうのがいいということになります。たとえば歯科医院のサイトなら、マーケティングを意識しなくても清潔で明るいイメージになるだけで集客にもプラスになります。

 

ただし、サイトがスタイリッシュでかっこよくてもお客が集まるわけではありません。プロモーション用の制作物は、一見ゴチャゴチャしたチラシみたいで見栄えはよくなくても、その方が広告としては効果があるということもあり得ます。正直、プロモーションの話をしているのにあまりデザインのことは言わないでほしいと思うこともあります。

 

イメージ戦略なのかプロモーションなのかどっちつかずのサイトが、ウェブ上には溢れている。(※写真はイメージです/PIXTA)
イメージ戦略なのかプロモーションなのかどっちつかずのサイトが、ウェブ上には溢れている。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ウェブでの通販を検討していたある会社から、こんなふうにしてほしいと海外のおしゃれなサイトを見せられました。しかしどう見ていいのか分かりにくく、通販サイトとしては操作も複雑です。サイトを作ってどんどん売りたいとは言っていますが、頭の中は格好のいいサイト作りの方に行ってしまっています。

 

売るためのページと、イメージを優先するページは別ものです。その海外のサイトのイメージのままおしゃれな通販サイトを作っても、お客が来ない、ものが売れないでは、制作費が無駄になります。

 

ブランディングとプロモーションは両立しませんと助言をしないでそのまま作る制作会社が世の中にはたくさんあります。そのためにイメージ戦略なのかプロモーションなのかどっちつかずのサイトが、ウェブ上には溢れています。

 

サイトは料理を盛るお皿のようなものです。料理が美味しくても、盛るお皿がミスマッチだと美味しさの最大値を引き出せません。広告の運用に自信があり、上手であったとしても、サイトが目的から外れていたりクオリティが低ければ反響の最大値は得られません。逆にサイトのクオリティが高くても、目的を間違えてとらえて広告を運用してしまうと、これもまた最大値は得られません。

 

ただクライアントが「売れるウェブサイト」のディレクションをするのはなかなか難しいので、〝売れるウェブサイト〞を作れる制作会社をパートナーとして選ぶのがよいでしょう。


とりあえずサイトは作ったが……という会社

 

ウェブサイトは用意したけれど、何をしたらいいのか分からないという会社が、実は結構あります。プロモーションのことは考えなかったがウェブに手を出してしまったという、おかしなことになっています。

 

普通は事業の方向性をまず定めて、そのためにどんなプロモーションをするか考え、そしてこのターゲットを狙うと決めてからサイトの制作に入ります。その順番が逆になっているのです。

 

「サイトはこういうのがあるんですが、どうしたらいいかちょっと考えられないんで」

「うちの会社はどういうプロモーションをしたらいいのか、第三者の目で見てアドバイスをいただけますか」

 

自分の会社は一体何をしたらいいでしょうと聞いているようなもので、よくそこまで丸投げできるものだと、ある意味感心してしまいます。

後藤ブランド株式会社 代表取締役

青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、凸版印刷株式会社入社。
電通・電通テック担当として、大手企業の紙媒体を中心とした広告制作を担当。
大手インターネット広告代理店、株式会社セプテーニへ転職し、SEMコンサルタントとして数十社のリスティング広告の運用を担当。
その後取締役としてウェブマーケティング会社の立ち上げに参画。
孫請け、ひ孫請けとしてウェブマーケティングに携わる中、業界特有の構造への疑問が強くなり、2014年に独立し、後藤ブランド株式会社を設立。
経営改善にまで踏み込んだ提案力、クライアント企業への遠慮のない物言いで、数々の中小企業の売上増に貢献。
後藤ブランド株式会社代表取締役。
2016年に、「ウェブマーケティングという茶番」(幻冬舎メディアコンサルティング)を出版。
その後、書籍の反響もあり、多くの広告代理店、制作会社からの要望から、下請け案件を専門とする子会社、株式会社グランデッツァを2018年に設立。
金融業界や医療業界など様々な業界にて、ウェブマーケティングに関する講演依頼があとを絶たない。

著者紹介

連載悪しき業界を大掃除!ウェブマーケティングの闇

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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