本記事では、トラックドライバーの給与額のモデルケースと、一般企業の会社員との給料システムの違いを見ていきます。

稼ぐ人ほど「仕事の段取り」がうまい

稼いでいるドライバーでもう一つ共通しているのは、仕事の段取りがうまいということです。自分がやることやできることを把握したり、優先順位をつけるといった点で、頭が良いといっても良いでしょう。

 

例えば、運ぶ荷物の量によって歩合給が発生する仕組みの場合、できるだけ多く運ぶことがポイントになりますし、そのためには効率を考える必要があります。1日の労働時間には限りがありますので、たくさん運ぶためには無駄をなくすことが重要です。そのことを念頭に置いて、時間のやりくりを工夫しますので、稼ぐドライバーほど時間あたりの仕事量が凝縮され、濃くなるのです。

 

固定給で働く人の場合、3時間かかる仕事を1時間で仕上げたとしても、それが収入に反映されるわけではないでしょう。空いた2時間でゆっくりできるかもしれませんが、稼ぐドライバーは、その2時間が収入を増やすための資源になります。実際、空いた時間を使ってフリー便の仕事などを引き受け、収入アップにつなげているドライバーもいます。特に最近はドライバーが不足しつつありますが、会社として引き受けられる仕事量は増えていますので、捻出した時間を収入アップに有効活用できる機会は増えています。

 

そう考えると、効率よく考えられる人や仕事が速い人は、今よりも高い収入を目指せるという点でドライバー向きと言えます。闇雲に働くのではなく、きちんと成果を考えて働くことが稼ぐためのポイントになるのです。

 

その際にもう一つ重要なのは、仕事のスピードを重視しつつも、安全や丁寧さといった仕事の基本となる部分は決して手を抜かないということです。当然のことですが、仕事を早く終わらせたいからといって、スピード違反をするわけにはいきません。お客様の荷物を雑に扱うこともできません。仮に空いた時間ができたとしても、事故や違反が多いドライバーは臨時の仕事を任せてもらえないでしょう。

 

お客様の荷物を丁寧に扱えないドライバーも同じです。ドライバーとして、人として同僚や荷主などから信頼されることが大前提なのです。ちなみに、ドライバーという仕事の特性上、事故を起こしてしまうリスクは隣り合わせです。私の会社の場合はトラックに社名が書かれていますので、ちょっとでも乱暴な運転をすると、それを見た一般の人などから電話やメールでお叱りを受けます。そのような意識を持って路上に出られるかどうかも重要なポイントなのだと思います。

 

収入で常にトップクラスを維持しているドライバーの1人は「看板をしょっている」とよく言います。看板とは社名のことで、一人で路上やお客様のところに訪れるときに、自分が会社の代表であるという意識を持たなければならないという意味です。

 

稼ぐドライバーになるということは、そういった責任感を高めることと言い換えても良いでしょう。ドライバーは、働き方と経済的な自由を両立できる仕事であり、自由は責任とセットです。効率とスピードを追求しつつも、安全や丁寧さは決しておろそかにしないという責任感が、稼ぐドライバーに不可欠な素養なのだと思います。

 

 

鈴木朝生

丸共通運株式会社 代表取締役

 

稼ぐ! トラックドライバー

稼ぐ! トラックドライバー

鈴木 朝生

幻冬舎メディアコンサルティング

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