時代の最先端…トラックドライバーの「仕事&報酬」システム

今回は、トラックドライバーの働き方や報酬のシステムのメリットを中心に見ていきます。※現代のトラックドライバーは、洗練された物流システムの中で、自立して活動するプロフェッショナルです。自分で考え、自分で判断し、自分の裁量で仕事をする。そして担うのは、日本経済を支える物流の根幹…。トラックドライバーは、自由に自分らしく働きながら世の中に貢献できる、数少ないビジネスの一つなのです。本連載では、知られざるトラックドライバーの最新事情を紹介します。

いまや、年功序列や終身雇用に頼るのは「人生の賭け」

能力や成果が収入に反映されるかどうかは、特に若い人にとって重要な点になるだろうとも思います。そう思う理由は、成果などに焦点が当たることによって、会社に頼らず、自分の能力で稼ぐ力を磨こうという意識が高まるからです。自分を磨き、自分で自分を成長させるきっかけになるといっても良いでしょう。

 

どんな仕事でもある程度の苦労はするものです。大変な時があれば、難しい仕事もあります。そういう実態を踏まえて「大変なことはなるべく避けたい」「どうせ頑張っても若いうちは給料が上がらない」と割り切るのも一つの方法なのかもしれません。大した成果を出さなかったとしても、終身雇用の会社ならクビになることはないでしょうし、年功序列で給料もきっと上がっていきます。

 

ただ、それは非常にもったいないことです。使命感もなく、面白さも感じられない仕事に、何十年、何万時間という時間を費やすことになってしまいます。それなら、難しいことに取り組んだり、大きな成果を出したときに評価される業界に身をおいて、頑張ってみたほうが良いのではないでしょうか。

 

最初は収入アップが目当てかもしれませんが、どんな仕事でも熱心に取り組んでいくと面白さを感じるようになるものです。自分の成長も感じられるようになります。その充実感は「どうせ若いうちは」と努力を放棄している限り、永遠に感じられないでしょう。私はそれがもったいないことだと思うのです。

 

また、年功序列や終身雇用に頼るのは、人生の大きな賭けとも言えるでしょう。なぜなら、既に世の中で言われているように、年功序列や終身雇用は旧来型の働き方であり、将来的にはある程度成果主義での評価が普及していくだろうと考えられるからです。社会全体が成果主義に向かっていく流れの中で、勤め先の会社がある日突然、成果主義に方針転換することも十分に考えられます。

 

そうなった時、これまで努力してこなかった人はおそらく収入が減ります。少なくとも今までのように年齢だけで収入が上がることはなくなります。かつては、なんとなく勤めているだけでも50代で600万円くらいの収入になりました。しかし、年功序列というエスカレーターが止まれば、その先は自力で上っていかなければなりません。

 

そう考えれば、若いうちから報酬や収入に目を向け、自分を成長させていくことは、働き手である自分や、自分の人生を守ることにもつながります。収入は、自分の生活を豊かにするために重要なものですが、それだけではありません。

 

働きがいを生み、自分を成長させる力にもなります。収入が年齢ではなく成長と比例する制度なら、収入の額が自分の成長度合いをはかる目安にもなるでしょう。そのような点から見ても、ドライバーの報酬制度は優れている点が多く、これからの世の中の変化にマッチした制度なのだと思います。

やればやっただけ稼げる制度で、モチベーションアップ

ドライバーの収入についてもう少し細かく見てみましょう。

 

運送会社のドライバーの給料は、基本的には固定給と歩合給の二段階になっていることが多いと思います。歩合の仕組みや割合は会社によって違い、例えば、走行距離や運んだ荷物の量などで歩合給が付くこともありますし、長距離の場合、行き先によって特別手当が付くこともあります。

 

また、給料に関する方針も会社によって違います。固定給を厚くして月々の収入があまり変動しないように配慮している会社もありますし、歩合給の割合を増やして、頑張った人の待遇をよくしようと取り組んでいる会社もあります。

 

私の会社はどちらかというと後者のタイプで、なるべくドライバーが歩合給を取れるようにしようと取り組んでいます。理由は、頑張った人が正しく評価され、適正な報酬が得られるようにしたいと考えているからです。また、やればやっただけ稼げる制度にすることが、ドライバーのモチベーションを高めるきっかけになったり、新たなドライバーの獲得に結び付くのではないかとも考えています。

 

実際、他社から転職してきたドライバーの中には、私の会社の給料体系が良かったと話す人が多いといえます。やればやっただけ稼げる制度を生かして、入社初年で年収600万円稼いでいるドライバーもいますし、入社時は年収400万円ほどで、そこから数年で800万円まで増やしているドライバーもいます。

 

もちろん、仕事をする目的はお金だけではないでしょう。しかし、たくさん働いて、たくさん稼ぎたいと考えている人もいます。生活のため、家族のため、豊かな暮らしを実現するために、たくさん仕事ができる場所や、やった分だけ収入に反映される仕事を求めている人もいます。そういう人がしっかりと目標を達成できるのがドライバーの給料体系なのだと思います。

たくさん稼いでいるドライバーの共通点

では、どんなドライバーがたくさん稼いでいるのでしょうか。私の会社のドライバーを見ていると、稼いでいる人にはいくつかの共通点があるように感じます。

 

まずは当たり前のことですが、仕事熱心だということです。どんな仕事にも共通することですが、怠けていて稼げることはありません。楽して稼ぎたい人は、おそらく年功序列の風土が色濃い会社に勤めたほうが良く、ただし、近いうちにエスカレーターが止まるかもしれないという点は前述した通りです。

 

ただ、仕事熱心というのは、単に長時間働いたり、より多くのモノを運ぶという意味だけではありません。もちろん、それも収入に反映される要素ではあるのですが、しっかり稼いでいる人は、いろんな仕事を引き受けたり、そのためにドライバーとして成長することに貪欲で、あらゆることを吸収します。

 

例えば、30代で私の会社に入ったあるドライバーは、その時はまだフォークリフトの免許を持っていませんでした。しかし、ドライバーとして独り立ちするためには免許があったほうが有利です。実際、私の会社の場合、近・中・長距離を問わず、ほとんどの仕事でフォークリフトを操作する業務が必要になります。

 

そこで彼は、平日の業務が終わった後に本社の駐車場でフォークリフトの練習を始めました。また、土曜日も休み返上で出社し、練習に励んだのです。フォークリフトは、周りから見ていると簡単に動かしているように見えるかもしれませんが、実は慣れが必要です。お客様の大事な荷物を積み下ろししますし、少しバランスを崩すと荷物が倒れ、傷付けてしまいます。「なかなか上手くならないんです。ただ、早く戦力になりたいんです」そう言って、彼は自主練に励んでいました。

 

そのかいあって、間も無く無事に免許を取りましたし、今も第一線で活躍しています。それどころか、最近は取引先が主催して行っているフォークリフトのコンテストで優勝するまでになりました。そのような成果につながったのも、彼が仕事に熱心だったからでしょう。また、彼の先輩たちも熱心で、仕事後や土曜の練習に付き合い、操作を教えてあげていました。

 

ドライバーは1人ひとりが独立して働いていますが、だからといってお互いのことに興味がないわけではありません。目標を持って取り組んでいる人を本気で応援し、協力する。素直に学ぼうとしている人には全力で教える。そういう熱さを持つ集団でもあります。だからこそ、より高い技術を求めて切磋琢磨し、成長することができ、結果として稼ぐドライバーになることができるのです。

 

 

鈴木朝生

丸共通運株式会社 代表取締役

 

丸共通運株式会社  代表取締役

1975年、愛知県生まれ。東海大学工学部を卒業し、三菱自動車に入社。生産システム立ち上げ、メンテナンス等の生産技術業務に従事。生産支援システム等では海外との折衝などで活躍する。その後、ファーストリテイリング柳井社長の著書に影響を受け、経営に興味を持つ。実家の丸共通運を継ぐ決意をし、入社。4年ほど現場作業を経験したのち、管理者に就任する。2012年には同社社長に就任。

顧客満足度向上、従業員満足度向上、そして社内教育システムの確立、また地域・お客様・従業員に愛される会社づくりを目指して、日々邁進中。

著者紹介

連載しっかり稼げて自由も満喫!「トラックドライバー」というビジネス

稼ぐ! トラックドライバー

稼ぐ! トラックドライバー

鈴木 朝生

幻冬舎メディアコンサルティング

トラックドライバーというと、デコトラで疾走する“トラック野郎”をイメージする人がいるかもしれません。しかし実際、現代のトラックドライバーは、自立して活動する“物流のプロフェッショナル”です。 トラックドライバ…

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