高収入を得ている「トラックドライバー」に共通することとは?

今回は、高収入を得ているトラックドライバーの働き方や思考法を見ていきます。※現代のトラックドライバーは、洗練された物流システムの中で、自立して活動するプロフェッショナルです。自分で考え、自分で判断し、自分の裁量で仕事をする。そして担うのは、日本経済を支える物流の根幹…。トラックドライバーは、自由に自分らしく働きながら世の中に貢献できる、数少ないビジネスの一つなのです。本連載では、知られざるトラックドライバーの最新事情を紹介します。

稼ぐドライバーには「明確な目的意識」がある

稼ぐドライバーは、目的意識が明確である点も共通しています。たくさん稼ぐというのも目的ではありますが、私の会社のドライバーを見ていると、ただ漠然と稼ぎたいと思っているのではなく、なんのために稼ぐかという目的をしっかり認識しています。

 

例えば、あるドライバーは、子供の学費を準備するという目的を持っています。若いときに結婚し、子供が生まれたため、家族を守るために稼ぐという目的を持って働いている人もいます。そういう話を、私は面接の時などに聞いたりするのですが、「なんのため」が明確な人ほど、入社後も熱心に働き、たくさん稼いでいる傾向があるように感じます。

 

おそらく、目的が明確で、絶対に成し遂げるという意志も強いからこそ、忙しい時期があっても乗り越えることができ、ドライバーとして成長したいという意欲も高まるのでしょう。

 

また、目的が明確になるほど、自分のスキルアップの計画も明確になります。そのための自己投資にも意欲的です。前述したフォークリフトのスキルアップに努力したドライバーもその1人ですが、他にも、例えば、入社後に大型免許やけん引の免許をとるドライバーもたくさんいます。

 

実際の現場では、4トントラックに乗れれば、取りあえずの仕事はこなせます。4トントラックに乗るためには中型免許などが必要ですが、最近のトラックはモニターなどの装備が充実していますので、昔に比べれば大分乗りこなしやすくなりました。後はコツコツ量をこなすことで、同年代や業界平均よりもたくさん稼ぐことができます。

 

しかし、稼ぐドライバーほど現状に満足しません。大型免許を取り、けん引免許を取る。乗れるトラックの幅を広げて、ドライバーとしての対応力を高める。そういう意識が高いとともに、自分がどこに向かい、何を成し遂げたいのかがはっきり見えているのです。

 

このような傾向は異業種においても同じなのだと思います。例えば、海外で働くために語学を学ぶ人もいますし、より大きな仕事を担当するためにマネジメントを学んだりする人もいます。

 

資格だけがスキルアップではありませんが、ドライバーの場合は資格によって乗れるトラックが制限されます。その点からみると、ドライバーはスキルアップの計画が立てやすく、免許というスキルによって収入も増えやすくなる分かりやすい仕事なのだと思います。

稼ぐ人ほど「仕事の段取り」がうまい

稼いでいるドライバーでもう一つ共通しているのは、仕事の段取りがうまいということです。自分がやることやできることを把握したり、優先順位をつけるといった点で、頭が良いといっても良いでしょう。

 

例えば、運ぶ荷物の量によって歩合給が発生する仕組みの場合、できるだけ多く運ぶことがポイントになりますし、そのためには効率を考える必要があります。1日の労働時間には限りがありますので、たくさん運ぶためには無駄をなくすことが重要です。そのことを念頭に置いて、時間のやりくりを工夫しますので、稼ぐドライバーほど時間あたりの仕事量が凝縮され、濃くなるのです。

 

固定給で働く人の場合、3時間かかる仕事を1時間で仕上げたとしても、それが収入に反映されるわけではないでしょう。空いた2時間でゆっくりできるかもしれませんが、稼ぐドライバーは、その2時間が収入を増やすための資源になります。実際、空いた時間を使ってフリー便の仕事などを引き受け、収入アップにつなげているドライバーもいます。特に最近はドライバーが不足しつつありますが、会社として引き受けられる仕事量は増えていますので、捻出した時間を収入アップに有効活用できる機会は増えています。

 

そう考えると、効率よく考えられる人や仕事が速い人は、今よりも高い収入を目指せるという点でドライバー向きと言えます。闇雲に働くのではなく、きちんと成果を考えて働くことが稼ぐためのポイントになるのです。

 

その際にもう一つ重要なのは、仕事のスピードを重視しつつも、安全や丁寧さといった仕事の基本となる部分は決して手を抜かないということです。当然のことですが、仕事を早く終わらせたいからといって、スピード違反をするわけにはいきません。お客様の荷物を雑に扱うこともできません。仮に空いた時間ができたとしても、事故や違反が多いドライバーは臨時の仕事を任せてもらえないでしょう。

 

お客様の荷物を丁寧に扱えないドライバーも同じです。ドライバーとして、人として同僚や荷主などから信頼されることが大前提なのです。ちなみに、ドライバーという仕事の特性上、事故を起こしてしまうリスクは隣り合わせです。私の会社の場合はトラックに社名が書かれていますので、ちょっとでも乱暴な運転をすると、それを見た一般の人などから電話やメールでお叱りを受けます。そのような意識を持って路上に出られるかどうかも重要なポイントなのだと思います。

 

収入で常にトップクラスを維持しているドライバーの1人は「看板をしょっている」とよく言います。看板とは社名のことで、一人で路上やお客様のところに訪れるときに、自分が会社の代表であるという意識を持たなければならないという意味です。

 

稼ぐドライバーになるということは、そういった責任感を高めることと言い換えても良いでしょう。ドライバーは、働き方と経済的な自由を両立できる仕事であり、自由は責任とセットです。効率とスピードを追求しつつも、安全や丁寧さは決しておろそかにしないという責任感が、稼ぐドライバーに不可欠な素養なのだと思います。

 

 

鈴木朝生

丸共通運株式会社 代表取締役

 

丸共通運株式会社  代表取締役

1975年、愛知県生まれ。東海大学工学部を卒業し、三菱自動車に入社。生産システム立ち上げ、メンテナンス等の生産技術業務に従事。生産支援システム等では海外との折衝などで活躍する。その後、ファーストリテイリング柳井社長の著書に影響を受け、経営に興味を持つ。実家の丸共通運を継ぐ決意をし、入社。4年ほど現場作業を経験したのち、管理者に就任する。2012年には同社社長に就任。

顧客満足度向上、従業員満足度向上、そして社内教育システムの確立、また地域・お客様・従業員に愛される会社づくりを目指して、日々邁進中。

著者紹介

連載しっかり稼げて自由も満喫!「トラックドライバー」というビジネス

稼ぐ! トラックドライバー

稼ぐ! トラックドライバー

鈴木 朝生

幻冬舎メディアコンサルティング

トラックドライバーというと、デコトラで疾走する“トラック野郎”をイメージする人がいるかもしれません。しかし実際、現代のトラックドライバーは、自立して活動する“物流のプロフェッショナル”です。 トラックドライバ…

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