板の基本的な見方をマスターする
株式投資の世界には、売り注文数と買い注文数を価格ごとに並べて一覧できる「板」と呼ばれる情報があります。この「板」を読みこなすことによって、市場の動向を察知したり、より高いリターンを望める緻密な注文をしたりすることができます。
下記の画像(図表1)をご覧ください。ある銘柄Aの、ある時点での板です。
まずは青字の数字にご注目ください。
「気配値」に「297」、「売気配株数」に「500」という数字があります。これは、「297円で500株の売り注文が出ている」ことを示しています。
次に赤字の数字にご注目ください。
「気配値」が「296」、「買気配株数」が「1900」となっています。これは、「296円で1900株の買い注文が出ている」ことを示しています。
株の注文方法は主に指値と成行があり、売買価格を指定する指値注文によって、気配値が形成されます。
そして、直近で成立した売買価格が296円なので、現在値が296円ということになります(画像の最上部をご覧ください)。
また、最安値での売り注文価格が297円であるため、この時点で296円の買い注文を出しても、売買は成立ません。
一方で今後、296円での売り注文が出るか、297円での買い注文が出れば、売買は成立します。そして297円での売買が成立すれば、株価は297円に上がることになります。
さらに、この板を上から下まで眺めてください。
307円以上(この画像ではOVERと表示)で50,900株の売り注文、306円で800株の売り注文、305円で2,000株の売り注文……、295円で2,400株の買い注文、294円で1,100株の買い注文、286円以下で(この画像ではUNDERと表示)48,000株の買い注文が出ていることがわかります。
このように、売り注文数と買い注文数を価格ごとに並べて一覧しているのが、「板」なのです。そして売り注文価格と買い注文価格が折り合ったところで、株価が形成される仕組みになっているわけです。
ちなみに、以下の銘柄Bのような板もあります(SBI証券の画面より)
現在値が1,999円で、青字の2,003円で100株の売り注文、赤字の1,991円で100株の買い注文が出ています。1,999円で売買が成立して以来、売り価格と買い価格が折り合っていないのです。
また、ここではそれぞれの気配株数に「前」という記号がありますが、これは、始値決定前の注文状況を表す気配値を示しています。
銘柄Bのように売買量が多くない株では、このような現象が見られることもあります。