株式投資ではさまざまな図表があり、それらを分析して売買を行っていますが、初心者はそれらをどのように見ればいいのか、どのように活かしていいかわからずに、何となく株式投資に挑んでいるケースも珍しくありません。そこで今回は、株式投資においても重要な「板」の情報の見方と利用法について解説していきます。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

板の基本的な見方をマスターする

 

株式投資の世界には、売り注文数と買い注文数を価格ごとに並べて一覧できる「板」と呼ばれる情報があります。この「板」を読みこなすことによって、市場の動向を察知したり、より高いリターンを望める緻密な注文をしたりすることができます。

 

下記の画像(図表1)をご覧ください。ある銘柄Aの、ある時点での板です。

 

出所:SBI証券より
[図表1]ある銘柄の「板」の例・その1 出所:SBI証券より

 

まずは青字の数字にご注目ください。

 

「気配値」に「297」、「売気配株数」に「500」という数字があります。これは、「297円で500株の売り注文が出ている」ことを示しています。

 

次に赤字の数字にご注目ください。

 

「気配値」が「296」、「買気配株数」が「1900」となっています。これは、「296円で1900株の買い注文が出ている」ことを示しています。

 

株の注文方法は主に指値と成行があり、売買価格を指定する指値注文によって、気配値が形成されます。

 

そして、直近で成立した売買価格が296円なので、現在値が296円ということになります(画像の最上部をご覧ください)。

 

また、最安値での売り注文価格が297円であるため、この時点で296円の買い注文を出しても、売買は成立ません。

 

一方で今後、296円での売り注文が出るか、297円での買い注文が出れば、売買は成立します。そして297円での売買が成立すれば、株価は297円に上がることになります。

 

さらに、この板を上から下まで眺めてください。

 

307円以上(この画像ではOVERと表示)で50,900株の売り注文、306円で800株の売り注文、305円で2,000株の売り注文……、295円で2,400株の買い注文、294円で1,100株の買い注文、286円以下で(この画像ではUNDERと表示)48,000株の買い注文が出ていることがわかります。

 

このように、売り注文数と買い注文数を価格ごとに並べて一覧しているのが、「板」なのです。そして売り注文価格と買い注文価格が折り合ったところで、株価が形成される仕組みになっているわけです。

 

ちなみに、以下の銘柄Bのような板もあります(SBI証券の画面より)

 

出所:SBI証券より
[図表2]ある銘柄の「板」の例・その1 出所:SBI証券より

 

現在値が1,999円で、青字の2,003円で100株の売り注文、赤字の1,991円で100株の買い注文が出ています。1,999円で売買が成立して以来、売り価格と買い価格が折り合っていないのです。

 

また、ここではそれぞれの気配株数に「前」という記号がありますが、これは、始値決定前の注文状況を表す気配値を示しています。

 

銘柄Bのように売買量が多くない株では、このような現象が見られることもあります。

次ページ板によって「市場の動向」を察知し、緻密な「注文」を出す

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