株価は平均すれば上昇し続けている
株式市場というのは基本的に、成長し続けています。
戦後すぐの日経平均株価は176.21円、米国のダウ平均株価は1896年に40.94ドルでスタートしていますが、今やそれぞれ、2万数千円、2万数千ドルとなっています。そして、バブル期のピークに日経平均株価は4万円に迫ろうとしていましたし、2020年明けにダウ平均株価は3万ドルに迫ろうとしていました。
また、1801年に米国株に投資した1ドルは、名目リターンからインフレ率を引いた実質リターンで、200年後には70万倍になったそうです。これは平均すると、1年に約7%弱の複利で200年間値上がりし続けたことになります。
株式のリターンについてはいろいろな研究があるようですが、長期的・平均的に期待できる利回りは、金利プラス5~6%だという意見が学者や実務家の多数意見だそうです。確かに、そのあたりが妥当な数字だといえるのではないでしょうか。
そしてそう考えると、順張りを続ける、という投資手法がまずは考えられます。
株価は長期的・平均的に上昇し続けているのですから、それに乗ることで、一定の成果が期待できるからです。
「市場平均に勝つ」ための逆張り手法
しかし、市場平均並みの成果では満足できない人もいるでしょう。
また、そもそも先ほどの話は長期的・平均的に株式市場が成長しているというだけで、時期によっては市場全体が下げることもありますし、銘柄によっては単独で下げることも当然あるのです。ですから市場平均に勝つためには、逆張りをすることも重要になってきます。
では、どういう時に逆張りをすればよいでしょうか?
そのタイミングの1つは、市場全体の株価が下落したときです。
こういう時は株を買う気にはなりにくいものですが、そこで勇気を出して買うのが、まさに逆張り手法です。そして、株式市場が基本的に成長していることを考えると、下げた後にはいずれまた上がる時が訪れるのですから、そこが利益を出すチャンスとなります。下げた時に買い、上昇に転じてから売ることで、市場平均以上のリターンを得ることができるのです。
逆張りに適したタイミングのもう1つは、優良成長銘柄が一時的に下げた時です。
優れたブランド力やビジネスモデルを持ち、永続的な持続性と成長性が予見できる優良成長銘柄も、毎年成長を続けられるわけではありません。失策、スキャンダル、政治や国際情勢の影響などによって、一時的に業績が悪化し、株価が下落する時期も当然あります。
しかしその時が、まさに逆張り投資のタイミングとなります。
永続的な持続性と成長性が予見できる優良成長銘柄ならば、業績も株価もいずれまた再上昇する可能性が高いです。そして下げた時に買い、上昇に転じてから売ることでもまた、市場平均以上のリターンが望めるのです。