ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

見た人がひきつけられるキャッチコピーを考えよ

広告代理店とはラインの登録数だけを指標に話をしていたようです。ただその中で査定を依頼してくる件数は少なく、買い取りにまでつながるケースはさらにそれ以下でした。買い取った商品を売りに出して差額が利益になるのですから、いくら友達申請が増えても査定から買い取りにつながらなければビジネスとしては意味がありません。しかもライン登録までに広告料金がかかっていますから、買い取り1件当たりの費用対効果も悪化していました。

 

後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)
後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)

友達申請が多いことに、まったく意味がないとはいいません。それだけ認知度は高まっているでしょう。そのうちに買い取りに出すかもしれないから候補として考えておこうと思っている潜在ユーザーは増えていると考えられます。

 

しかしそこから先に進まないと、登録者を集めただけで終わってしまうかもしれません。そこでこの会社では、登録数よりも、査定件数、買取件数をいかに伸ばすかに方針を切り替えました。

 

その結果、1カ月当たりの登録件数は減少しましたが、前よりも査定を目的とする人がランディングページを訪れるようになり、買い取り率も上がり買い取り1件当たりにかかるコストを抑えることができました。

 

広告代理店を替えてみた結果、査定をしたい人だけを取っていく路線に変更してトンネルから抜け出すことができたという事例です。

 

プロモーションはブランディングと分けて考える

 

ランディングページやバナー広告といった制作物は、ウェブでのプロモーションに使うのが目的ですから、いかにお客さんを取るかを第一に考えて制作しなければなりません。デザインがきれいでも、プロモーションの効果があるとは限りません。マーケティングの観点からは、それよりも見た人が商品に引きつけられるようなキャッチコピーを考えることの方が重要だったりします。

 

ブランディングを目的とした大手企業のコーポレートサイトであれば、そのページで商品を宣伝して売上を伸ばそうとしているわけではないので、デザイン重視でもかまいません。しかし中小企業の多くはブランディングまで手を広げる余裕はなく、それよりもまず売上につながるようなウェブマーケティングを考えなければなりません。

 

ですからサイトを制作するにあたっては、ものを売るという目的をまずはっきりさせておくべきです。

 

ところがコーポレートサイトを広告のリンク先として、売上を伸ばそうとする会社が意外と多いのです。

 

デザインを重視してイメージだけを植え付けるものと、売上につながるアクションを起こしてもらおうとするものでは、作り方が違います。会社のブランディングが目的で作った商品のキャッチコピーもないページで、注文を取ろうとしても無理があります。

 

コーポレートサイトとプロモーション用のサイトの両方に予算がかけられないという事情も、分からなくはありません。しかしちゃんと反響が取れる運用をしようとするなら、プロモーションの受け皿はやはりランディングページ1枚だけでも作っておくべきです。

 

後藤 晴伸
後藤ブランド 社長

 

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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