年をとれば誰でも身体の自由がきかなくなり、生活するにも人の助けが必要になります。望んでひとり暮らしをする高齢者が増加する現代では、だれしも介護が必要になる前に、受けられる支援サービスなどを調べておくべきだといえます。今回は、シニア生活文化研究所・代表理事の小谷みどり氏の著書『ひとり終活』より一部を抜粋し、介護付き施設や支援サービスの選択肢について見ていきましょう。

選択肢③:在宅を支援「デイサービス・訪問介護」利用

さまざまな選択肢があっても、やはり住み慣れた我が家で最後まで過ごしたいと思う人は多いでしょう。せっかく誰にも気兼ねせずに済む自由なひとり暮らしをしてきたのに、いまさら老人ホームや介護施設には入りたくないと思う人もいるはずです。

 

とはいえ、いつかは介護が必要な状態になるかもしれません。そんな場合は、訪問介護やデイサービス(通所介護)を利用します。住んでいる地域にどんな事業所があるのか、どんなサービスを受けられるのかについては、市区町村の担当窓口で教えてくれます。

 

訪問介護とは、介護福祉士やホームヘルパーなどの専門家に自宅に来てもらい、食事や入浴、排泄、衣類の着脱といった日常生活の介助や、料理や洗濯などの生活援助をしてもらうサービスです。買い物も頼めます。ただし、要介護認定されていないと、訪問介護サービスを利用する際に介護保険が適用されないので全額自己負担となり、かなり高額になってしまいます。

 

2015年4月以降の介護報酬
[図表2]訪問介護を使用した際の自己負担 2015年4月以降の介護報酬

 

 

※訪問介護サービスを利用し、介護保険が適用される場合の自己負担額は[図表2]の通りです。ただし地域や事業所によっても異なることがあります。

 

老人ホームに転居するのは抵抗があるけれど、介護が必要な状態で自宅にひとりでいる
のが不安な場合には、日帰りのデイサービスを利用するといいでしょう。デイサービスでは、利用者本人が自宅から施設へ出向けば(送迎もあります)、専門スタッフが食事や入浴、排泄などの介護サービスをしてくれます。簡単な体操やゲームをするなどのレクリエーションもありますので、気分転換にもなるでしょう。

 

2015年4月以降の介護報酬
[図表3]小規模型デイサービスの介護費 2015年4月以降の介護報酬

 

※利用料金は、何時間利用するかによって異なりますし、事業所の1カ月あたりの平均利用延人数によっても異なりますが、300人以下の小規模事業所のデイサービスの1回あたりの利用料金は[図表3]の通りです。

 

 

 

小谷みどり 

シニア生活文化研究所代表理事

 

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ひとり終活

ひとり終活

小谷 みどり

小学館

元気なうちは気兼ねの要らない自由な暮らしがいいと思っていても、ひとり暮らしの人は、将来に不安を感じることも多い。 介護が必要になったら誰が面倒を見てくれるのだろう? 万が一のとき誰にも気づいてもらえなかったら…

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