まるで家電を買うように見積書を要求してくる会社も
マーケティングでも、いくら予算がかけられるのかをもとに、利益を出すために売上がいくら必要かを試算します。ここまでは第一段階なのですが、それさえしていない会社は珍しくありません。さらに顧客層の年齢分布、性別、居住地域、年収などの情報を、申込書やアンケートなどをもとに出してもらえれば、どんな手段をどう使おうかという計画が立てられます。
このような情報を事前に集計してある会社は、ふだんから自分の身体検査をしているようなもので、何をするにしてもすぐに対応できます。さらに前の広告代理店と契約していたときの情報があると、その時点で何がよくなかったかも見当がつきます。その問題を潰すためにまた別の情報を取って活用していけば、ウェブマーケティングの中身がより充実したものになっていきます。
いきなり電話一本でウェブ制作の見積もりを要求してくる
せっかちなところだと、電話でいきなり「見積もりと資料を送ってください」と言ってきます。
「1回打ち合わせをさせてもらって内容を聞いてから、この予算ならこんなことができると提案しますので、お時間をくれませんか」と答えると、「それならば結構です」と電話を切ってしまいます。
常識で考えても、どんな会社なのか、何をしようとしているのかもよく分からないのに、見積もりを出せるわけがありません。しかしこういう会社が結構あるのです。おそらく何社からも見積もりと資料を取り寄せて、面談をするところはその中から絞るというやり方をしているのでしょう。そうしないと社内稟議が通らないのかもしれません。
しかしウェブマーケティングを任せる相手を選ぶのは、オフィス用品や家電製品を買うのとはわけが違います。依頼する側とされる側が話をしていく中で、どういう施策が立てられるかが初めて見えてきます。そこから見積額が決まるので、スペックや価格を比較して決められるものではありません。
まるで家電でも買うかのようにパンフレットをいくつももらってきたり、価格ドットコムで安い順から並べてみるように見積もりと資料だけで依頼先を決めてしまったとしたら、どうなるでしょうか。とにかく制作費を抑えてサイトを作ったはいいが、「こんなサイトでは成果は期待できませんよ」と広告代理店に言われて結局作り直すといったボタンの掛け違いが起こります。安く抑えたつもりのサイトが、まったく無駄になってしまうのです。