白内障とは、加齢によって目の中でカメラのレンズのような役割を担う水晶体が白く濁り、視力が低下する病気です。60代で約半数、80代に至ってはほぼ全員が、程度の差こそあれ白内障にかかります。高齢化に伴い、今や「目の国民病」と言っても過言ではないこの病気について、眼科専門医が症状と治療法を平易に解説します。※本記事は『図解 白内障かなと思ったら読む本』(幻冬舎MC)から抜粋・再編集したものです。

ポイント6:乱視がある場合は矯正してくれるか?

乱視がある場合、それも矯正してくれるのか、あるいはそれは眼鏡を使ってください、というのかでは、術後の快適さが違ってきます。

 

乱視の矯正は、軽度なものなら術中に切開する位置を調整することで改善するケースもあります。それで対応できない場合でも、眼内レンズには単焦点、多焦点とも乱視矯正機能がついたレンズはありますから、それで矯正が可能です。

 

本来なら術後、裸眼ですむところ、乱視の矯正はしませんと言われ、術後も眼鏡やコンタクトをつけるのでは、経済的負担も変わってきます。実は乱視矯正機能のついた眼内レンズは、そうでないレンズよりも仕入れ価格が高いという事情があります。しかし、保険診療内で行う単焦点眼内レンズを使った白内障手術の保険点数は、乱視矯正の有無にかかわらず一律です。つまり、乱視矯正機能のついたレンズを使うと、仕入れ価格が高い分、病院の利幅が薄くなるのです。

 

そのような裏事情から、乱視矯正機能付きの眼内レンズを使わない医院もある、というわけです。しかしそれでは本当に患者さんのためを思った白内障手術にならないことは明らかです。乱視の矯正もしてくれる医院を選びましょう。

ポイント7:手術件数だけ見て評価していないか?

「年間〇件の実績」といった、手術数のアピールにも冷静な目を持つことが望ましいと考えます。「症例が多い」→「経験豊富」→「良い医院」と考えられがちですが、本当に見極めたいのは経験の「中身」です。数ばかり多くても、手術中の感染症予防策が甘かったり、突発的なトラブルに対してお手上げだったり、眼内レンズの選択肢が少なかったりしては、良い医院とはいえないでしょう。

 

また、症例の多さは往々にして、医院の立地に左右されます。腕が良くても立地条件が悪いために件数の伸びが鈍い医院もあります。件数が多くてもそれが一人の医師によるものか、複数の医師の合計なのかによって意味合いが違ってきます。

 

なお、大きな医院では、ほかの医院から非常勤できている医師が執刀するケースも珍しくありません。手術のためだけにきている可能性もあるので、同じ医師に術後も診てもらいたいと思ったら、事前に可能かどうか確認するほうが良いでしょう。

 

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図解 白内障かなと思ったら読む本

図解 白内障かなと思ったら読む本

川原 周平

幻冬舎メディアコンサルティング

目がかすむ、眩しい、ダブって見える…。その症状、白内障かもしれません。 いまや「目の国民病」といっても過言ではない白内障ですが、近年では精密な器具の開発等により、手術の安全性は高まっています。 とはいえ、納…

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