現在、大和郷の大部分は第一種低層住居専用地域。広めの道路で区画された街には大豪邸が建ち並び、まさに高級住宅地の趣きです。なかには「美術館?」と見間違えてしまうようなモダンな住宅もちらほら。
そんな高級住宅地には「大和郷会」と呼ばれる一般社団法人の住民組織があり、その秩序を守っています。町内会の役割を一般社団法人が担うという全国的にも珍しいパターンですが、その初代会長は、前出の第25、28代内閣総理大臣・若槻礼次郎です。
住居表示にその名は残っていないので、「大和郷」は知る人ぞ知る高級住宅地でしたが、2017年、六義園に面する一等地の大豪邸が売りに出されたことで、その名は広く知れ渡ることになりました。286坪もの広い敷地を有する豪邸の価格は、なんと47億5,000万円。年間の維持費だけでも数千万円はするという、目が飛び出るほどの大豪邸でした。
元々、相続税に困り売却された土地に、新たに建てられた白亜の大豪邸。しかし未入居のまま売りに出されて……と複雑な事情がありましたが、驚愕の価格によって、高級住宅地としての「大和郷」は印象付けられることになったのです。
都心の高級住宅地、一戸建てに住む370世帯
加賀藩の武家屋敷、そして旧三菱財閥が整備し、住民組織によってその歴史と気品をいまに受け継ぐ大和郷。邸宅が建ち並ぶ閑静な高級住宅地には、どのような人たちが住んでいるのでしょうか。国勢調査(2015年)などの結果から、その傾向をみていきます。
文京区本駒込6丁目に住んでいるのは3,529人で人口密度は10693.9人/km2(六義園の約8万7800平方メートルを除いた数値)。山手線内、都心の高級住宅地としては人口密度は低めで、ゆとりのある住宅地を形成しています。
年齢別にみていくと、15歳未満が12.75%と文京区の平均を2ポイント近く上回っています。前出の通り、文京区にはハイレベルな教育環境を求めて引越しをしてくるファミリー層が多く、ここ大和郷も例外ではないといえるでしょう。また65歳以上も区の平均よりも3%近く高く、古くからの住民が多いことの表れと考えらえます。
また大和郷には1,804世帯あり、そのうち単身者は46.67%。さらに単身高齢者世帯を除くと、35.12%まで低下。文京区平均よりも10%以上も低く、現役世代の単身者が住むには、ハードルが高い地域であるといえるでしょう。また18歳未満の子どもがいる世帯は41.28%と、文京区平均33.29%を大きく上回っています。教育熱の高い富裕層に選ばれるエリアであることがみえてきます。
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