人口減少の局面になり、厳しさが増す不動産投資。今後、どこが投資エリアとして有望なのでしょうか。不動産投資には欠かせない要素である「人口」や「不動産取引の現状」などをもとに検討していきます。今回紹介するのは、京王電鉄京王線23区内の12駅をみていきます。

 

次にワンルームと1K・1DKの駅徒歩10分圏内の平均家賃をみていきます。

 

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ワンルームでは、「新宿」8.4万円でスタートし、「幡ヶ谷」で7万円台、「笹塚」では6万円台になります。学生ニーズの高い「明大前」では7万円台になるものの、「下高井戸」からは5~6万円台に。ただし「八幡山」では8.7万円と、京王線23区内で最も高い家賃水準に。甲州街道と環状8号線が近くを走る駅周辺では、新築のワンルームマンションが増加。平均家賃をおしあげています。

 

1K・1DKでは「新宿」9.8万円でスタート。「初台」~「笹塚」は8万円台で推移しますが、「代田橋」は沿線最高の10.0万円に。近くを縦断する環状7号線沿いに、単身者用新築マンションが増加していて、ワンルームの「八幡山」と同じように、平均家賃をおしあげています。その後、「新宿」から遠ざかるに従い下落傾向にあり、「千歳烏山」では6.9万円と、若手会社員でも十分に検討できる水準になります(図表4)

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合 会調べ(10月6日時点)
[図表4]京王線23区12駅のワンルーム、1K・1DKの家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合
会調べ(10月6日時点)

 

このような京王線沿線の賃貸市場ですが、昨今、話題になっている空き家の状況はどうでしょうか。250mメッシュでみていくと、賃貸物件の多い駅周辺では空家数が多く、橙(空家数~400件)、赤橙(空家数~600件)が占めています。さらに「幡ヶ谷」「笹塚」「千歳烏山」は空家数600件以上の赤と、特に空き家が目立ちます。賃貸物件が多い一方で、競争が激しく、特に空室対策が必須のエリアといえるでしょう(図表5)

 

出所:地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より作成
[図表5]京王線沿線の共同住宅の空き家の分布 出所:地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より作成

 

■京王線沿線の中古マンション市場

続いて、中央線沿線の中古マンションの取引状況や価格についてみていきます。

 

まず過去5年間の中古マンションの取引件数をみていくと、最も取引件数が多いのは「笹塚」で四半期平均13.94件、続いて「幡ヶ谷」12.88件、「千歳烏山」11.47件と続きます。一方で最も取引件数が少ないのは「上北沢」で4.59件。「下高井戸」4.88件、「明大前」5.06件と続きます。

 

出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成
[図表6]京王線23区内12駅 中古マンションの取引件数四半期平均(5年間) 出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成

 

1㎡当たりの価格が最も高いのは、「初台」で137.52万円。続いて「新宿」で123.70万円で、この2駅が100万円/㎡超と、京王線沿線ではひと際平米単価の高いエリアになっています。ターミナル駅である「新宿」から離れていくと、平米単価も下がっていく傾向にあるのは、家賃と同様。「幡ヶ谷」~「代田橋」は90万円で推移し、「桜上水」を越えると、70万円/㎡に。「八幡山」「芦花公園」では60万円/㎡になりますが、速達列車の停車駅である「千歳烏山」は周辺よりも単価があがり、72.33万円/㎡となります。

 

出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成
[図表7]京王線23区12駅 中古マンションの平米単価 出所:国土交通省 「土地情報総合システム」より作成

 

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