「チーム医療」の定義とは?
2010年厚生労働省の定義によるとチーム医療と”医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること”とされています。
それではそもそもチームとは何でしょうか? グループとチームとの違いは?
チームとはメンバーの強みをフルに発揮させ、弱みを意味のないものにすることです。大事なことは一人ひとりが力を発揮し、一人ひとりの強みを共同の働きに結びつけることです。グループは1+1=2ですが、チームは1+1=3以上にすることです。したがって、チーム医療とは1+1=2を目指すのではなく、1+1=3以上を目指すこと、すなわち「シナジー」効果を生み出すことに他ならないわけです。逆に、1+1が2未満になることをプロセスロスと言います。
それではシナジーとは何でしょうか?
一人ひとりが明確な個性を持ち、その違いを認め、互いに高め合うことで、大きな成果を生むことです。
われわれは日々の生活でシナジーを活かしています。シナジーの例は、オーケストラ、夫婦(家族)、会社、医局などです。鉄の棒にインチ当たり6万ポンドの圧をかけると折れてしまいます。同様にクロムですと7万ポンド、ニッケルですと8万ポンドです。
それでは3つの金属の合金ではどうなるでしょうか?
単純に足し算をすると21万ポンドということになりますが、実際は30万ポンドまで折れません。この現象もまさにシナジーです。
チーム医療が見習うべきは「AKB48」
2016年末、人気アイドルグループのSMAPの解散で国民全体が悲しみましたが、SMAP結成時は1+1+1+1+1=5以上のシナジー効果を生むためにチームを結成したわけですが、1人ずつが才能にあふれ個々の能力が十分であれば、チームを結成するメリットは少なくなりますし、むしろSMAPとして継続することでプロセスロスを生んでいるかもしれないわけですので、解散するのは仕方ないことです。