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世論調査を見る限り、20年の米大統領選挙は現時点ではバイデン氏が優勢となっています。しかし、全米、いや全世界が注目するテレビ討論会の結果により支持に動きが見られることも考えられます。なお、テレビ討論会直後の市場の反応では米国株式(先物)がやや下落する展開となりました。
米大統領選候補者討論会:第1回テレビ討論会は6つのテーマを討論
米大統領選の候補者による第1回テレビ討論会が2020年9月29日夜(日本時間30日午前)に開催されました。共和党からはトランプ大統領、民主党候補のジョー・バイデン前副大統領が初めて直接対決しました。討論会は10月15日、22日の合計3回の開催が予定されています。
今回は6つのテーマ①両候補の経歴、②連邦最高裁判所、③新型コロナウイルス対応、④経済、⑤人種と暴力、⑥選挙の正当性、について各テーマ15分、合計90分の枠組みで討論が行われました。
どこに注目すべきか:テレビ討論会、世論調査、激戦州、勝者
世論調査を見る限り、20年の米大統領選挙は現時点ではバイデン氏が優勢となっています(図表1参照)。しかし、全米、いや全世界が注目するテレビ討論会の結果により支持に動きが見られることも考えられます。なお、テレビ討論会直後の市場の反応では米国株式(先物)がやや下落する展開となりました。
まず、討論会前のトランプ氏とバイデン氏の支持率を確認します。米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の世論調査を見ると、9月末時点でバイデン氏の支持率が約49%、トランプ氏は43%となっています。バイデン氏が優勢を保っていますが、支持率自体大きな変動は見られない印象です(図表1参照)。
なお、どちらの候補が勝つと思うかをベースにした勝利者予想(ベット)を見ると、8月末前後にトランプ氏がバイデン氏を一時上回りましたが、足元バイデン氏が再びリードしています。勝利者予想がどこまで実際の投票行動につながるのか不確かな面はありますが、5月後半に起きた人種差別問題でトランプ氏不利の予想が急速に増えるなど、主観的予想を反映する傾向もあり、参考程度に見ています。
米大統領選では各州の選挙人を総取りする方式です。そこで激戦州の動向によると、バイデン氏が優勢に見えます(図表2参照)。ただ選挙人の多いテキサス(38)をトランプ氏が抑え、フロリダ(29)も僅差で、現時点では激戦州の動向は読みづらいともいえそうです。
市場では、討論会直後に円高ドル安、株式市場が下落したことから、バイデン氏が負けなかったと見ているようです。米メディアが揃って「酷い」討論会であったと批判したように、主にトランプ氏がバイデン氏の発言をさえぎり(反対の場合も)、非難の応酬となりました。トランプ氏が相手の発言中でも、遠慮なく自説を主張する姿は、あえて良く言えば積極的ですが、米国メディアの反応は全般に否定的です。一方、バイデン氏はどちらかというと冷静な対応(時々応戦もしていましたが)で、トランプ氏のペースに巻き込まれることなく、失点は防げたと思われます。ただ、トランプ氏の所得税報道の議論で攻めきれないなど物足りなさも残りました。なお、米CNNは限定的な標本での調査ながら討論会の勝者をバイデン氏としています。ただ、本当の勝者を知るには幅広い調査を待つ必要があります。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米大統領候補者テレビ討論会、勝者は?』を参照)。
(2020年9月30日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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