日本語には、「損する言葉」と「得する言葉」の2種類がある。前者は幼稚で相手の配慮が不足しているイメージ、後者が知性や教養が溢れるイメージだ。「得する言葉」を使うことで、コミュニケーションが円滑になり、仕事や人生にも好影響と著者は語る。言葉遣いを変えるだけで好印象を与える「語彙」の数々を徹底解説。本連載は安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

 

(4)【ご高配いただき】

意味:目上の人や立場が上の人、取引先などに、相手の心配りについて敬意を表す言葉

 

 この度の身に余るご高配に感謝いたします。

× この度の身に余るご配慮に感謝いたします。

敬意を持って対応しているかどうか

○は、自分よりも目上の方に対して、こちらへの配慮について使う言葉です。ビジネスシーンにおいて、挨拶やメールなどの文書の冒頭では、「平素は格別のご高配を賜り……」までが定型文としてよく用いられています。基本的にはメールや手紙など文書の中で用いる言葉で、話し言葉として使うことはほとんどありませんが、目上の方からの配慮へ敬意を示す表現として覚えておきましょう。

 

 

(5)【お眼鏡にかなう】

意味:目上の方に気に入られる。実力を認められる

 

 お勧めした商品がお眼鏡にかない、うれしく存じます

× お勧めした商品を気に入っていただき、うれしいです。

相手への敬意が込められているかどうか

◯の例は、相手に審美眼があること、あるいは尊敬の念を表し、自分がその基準にかなったと喜んでいることも伝えています。一方×は必ずしも、目上ではなく、相手に審美眼があるともないとも言っていません。

 

 

(6)【頭が下がる】
意味:相手に敬服する、感服すること

 

 彼は毎朝、公園を掃除している。頭が下がる思いだ。

× 彼は毎朝、公園を掃除している。本当にすごい

相手の人格も含めて敬意を伝えているか

◯の例は、よほどのこと、並大抵のことではないことを表します。相手に敬服の念を抱いて、または、その人自身に高い評価をしているという表現です。一方、×の例は、自分の気持ちを伝えるだけで、相手の行ったことや相手の人格への尊敬の念を表しているわけではありません。

 

 

安田 正

株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役

早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授

超一流 できる大人の語彙力

超一流 できる大人の語彙力

安田 正

プレジデント社

“損する言葉"と“得する言葉"。言葉づかいの選択で残念な人生を送っていませんか? この本は、普段、あなたが使っている言葉が“損する言葉"であるか“得する言葉"であるか、ひと目で判断できる! そのような内容になっていま…

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