
日本語には、「損する言葉」と「得する言葉」の2種類がある。前者は幼稚で相手の配慮が不足しているイメージ、後者が知性や教養が溢れるイメージだ。「得する言葉」を使うことで、コミュニケーションが円滑になり、仕事や人生にも好影響と著者は語る。言葉遣いを変えるだけで好印象を与える「語彙」の数々を徹底解説。本連載は安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。
意味:人徳や品格のある人から影響され、人格が磨き上げられる
〇 山田先生のご薫陶のおかげで成功しました。
× 山田先生のアドバイスのおかげで成功しました。
相手の人格も含めて、敬意を伝えているかどうか
◯の例は、あらためて相手への敬意や尊敬の念を表現できる言葉です。また、尊敬する相手の能力だけでなく人格者でもあることを表しています。一方、×の例は、相手への敬意を示すのには不十分な印象です。
(2)【足を向けて(眠れません)】
意味:大変世話になった人に失礼なことはできないという心からの感謝の気持ちを示す
〇 大変お世話になり、足を向けて眠れません。
× さんざんお世話になり感謝しております。
最大限に感謝している気持ちを伝えられるかどうか
〇の例は目上、地位の高い人に想定以上の何かをしてもらい、相手に対する感謝の念と恐れ多い感じを表現します。身に余る厚意を受けた時に使います。×でも感謝の気持ちは伝わりますが、心からのお礼の気持ちを伝えたい時は、◯の例がよいでしょう。

(3)【お礼の言葉もありません】
意味:感謝の度合いが強すぎて、感謝を表しきれない
〇 お礼の言葉もありません。
× 本当にありがとうございます。
深く感謝しているかどうか
◯の例は、「ありがとうございます」をはるかに超えている感謝の気持ちを表しています。深く感謝をしていて、心からお礼の気持ちを伝えたい時に、◯の表現がお勧めです。一方、×は深い感謝の気持ちを表現するのにはやや物足りない印象です。