日本語には、「損する言葉」と「得する言葉」の2種類がある。前者は幼稚で相手の配慮が不足しているイメージ、後者が知性や教養が溢れるイメージだ。「得する言葉」を使うことで、コミュニケーションが円滑になり、仕事や人生にも好影響と著者は語る。言葉遣いを変えるだけで好印象を与える「語彙」の数々を徹底解説。本連載は安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

 

(1)【陳謝いたします】
意味:わけを言って謝ること

 

 この度の件につきまして、陳謝いたします

× この度の件につきまして、お詫びします

丁寧な謝罪をしている姿勢があるかどうか

○の例は、問題となっている点について包み隠さずお話しし、謝る、説明してお詫びするという意味です。一方、×の例は、何について、どの程度謝っているのかわからない、何が起こっているかがわからない表現です。きちんと謝罪する時は、○の表現を使ってみると誠意が相手に伝わりやすくなります。

 

「陳謝いたします」 (画像はイメージです/PIXTA)
「陳謝いたします」
(画像はイメージです/PIXTA)

 

 

(2)【非礼の数々​】

意味:無礼なこと、失礼なこと

 

 非礼の数々、お許しください。

× 失礼なことの数々、お許しください。

起きている事柄を理解して謝罪しているかどうか

◯の例は、相手に嫌な感情を与えてしまったことを自分も認識しています。ネガティブなことが具体的に起こっている状態です。一方、×の例は、相手が嫌かどうか、こちらは認識していない状態で発せられた言葉です。ですから、「何が」非礼なのか、具体的なことは認識していないというイメージを与えてしまいます。

 

(3)【申し開きのできないことです

意味:相手から非難を受けたり疑惑を招いたりした事柄について、何ら正当性はないこと

 

 このようなミスをしてしまい、申し開きのできないことです

× このようなミスをしてしまい、言い訳できません

保身に走らず心から反省している姿勢があるかどうか

◯の例にある「申し開き」は、反省とは意味が違い、期待していた結果は出なかったが、そこに至る過程では悪いと思わなかった、と説明する行為です。「申し開きできない」は本来は説明できるはずが、それすらできない状況です。一方、×の例の「言い訳」は、タラレバを言うだけ。自分に都合がいい、保身です。

次ページ深く感謝している姿勢が伝わるかどうか
超一流 できる大人の語彙力

超一流 できる大人の語彙力

安田 正

プレジデント社

“損する言葉"と“得する言葉"。言葉づかいの選択で残念な人生を送っていませんか? この本は、普段、あなたが使っている言葉が“損する言葉"であるか“得する言葉"であるか、ひと目で判断できる! そのような内容になっていま…

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