日本語には、「損する言葉」と「得する言葉」の2種類がある。前者は幼稚で相手の配慮が不足しているイメージ、後者が知性や教養が溢れるイメージだ。「得する言葉」を使うことで、コミュニケーションが円滑になり、仕事や人生にも好影響と著者は語る。言葉遣いを変えるだけで好印象を与える「語彙」の数々を徹底解説。本連載は安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

 

(4)【痛み入る】

意味:恐縮する。ほかの人からの好意、親切に感謝の気持ちを表す

 

 そこまで配慮いただき痛み入ります

× そこまで配慮いただき申し訳ありません

深く感謝している姿勢が伝わるかどうか

◯の例は、普通の人はそこまでやってくれないので恐縮しているという意味です。一方、×の例は、言葉の使い方がそもそも違います。相手の配慮に対してお詫びはしません。その違いに気づかずに多用されている表現です。

 

 

(5)【意を尽くす】

意味:意味や内容、考えを全て言い表す。また、よくわかるように丁寧に言う​

 

 (私の言葉に) 意を尽くせないところがございました。

× わかりづらいところがありました。

努力したが至らなかったことが伝わるかどうか

◯の例は、前提として自分の感じ方、考え方、熱意、期待などがあり、それを伝えようと力を尽くしたがダメだった、という表現です。一方、×の例は、自分の感じ方、考え方、熱意、期待などがあるとは限りません。または、そこまでではない場合の表現です。

 

 

(6)【言葉が足りない】
意味:説明が十分でない。また、ものの言い方がまずい

 

 それは言葉が足りなかったかもしれません。

× それは説明不足だったかもしれません。

自らの至らない点を具体的に把握しているかどうか

◯の例は、説明すべきところを説明しなかった。足りなかった部分を特定している場合、あるいはある言い方がまずい、と具体的に自覚している場合に使います。一方、×の例は、なんだかよく伝わらなかった……という時に使い、何が原因なのか、何が悪かったのかが伝わりません。

 

 

安田 正

株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役

早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授

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