税制改正により、2021年から、海外中古物件を利用した節税スキームが封じ込められることになっていますが、2020年も残すところ約100日。米国不動産を所有する日本居住者はどのようなことに留意すべきなのでしょうか。弁護士法人佐野&アソシエーツの弁護士である佐野郁子氏が解説します。
米国不動産の相続を見据えた所有形態について
個人所有の場合は、リビングトラスト、委任状とTODDなどを併せて活用すると、資産管理ができなくなったときや、相続が発生した際のプロベートという厄介な手続きは回避できるメリットがあります。
ハワイやサンディエゴなど、リゾート地の別荘で代々子孫に残したい米国不動産であれば、管理会社など日本法人が所有することが望ましいでしょう。この場合、家族に役員報酬などで株式を徐々に譲渡していくことにより、節税を図ることができるからです。
相続が発生した時には不動産の相続ではなく、株式の相続になりますので、相続税対策にもなります。さらに、日本法人で米国不動産を所有する場合は、日本法人の株式の相続になるので、米国のプロベートは該当しません。
ちなみに、法人名義でも米国法人で所有する場合は、米国法人自体がプロベートの対象になるので十分な注意が必要です。
個々の事情に合わせたアドバイスは、日米を跨ぐ法律や税務に詳しい専門家にお問い合わせください。
佐野 郁子
弁護士法人佐野&アソシエーツ 弁護士
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弁護士法人 佐野&アソシエーツ
弁護士
日米間の相続に精通し、米国で15年の実績を持つ日本人弁護士。
2000年に明治大学一部法学部法律学科を卒業し法学士を取得。2003年に米国ルイジアナ州ニューオーリンズのチューレーン法科大学院にて法学修士を取得。カリフォルニア州、ハワイ州、ニューヨーク州の弁護士資格を有する。7年間ニューオーリンズ、ハワイ、ロサンゼルスの大手法律事務所にて経験を積んだ後、2009年にカリフォルニア州サンディエゴにて独立し現在に至る。
米国に資産を有する日本人や、米国に住む日本人のための相続対策・トラスト・資産形成・資産保全などのエステートプランを専門に取り扱う。税務や不動産なに携わる各分野の専門家と提携し、信頼のできるネットワークで総合的なワンストップ・コンサルティングを提供している。日本生まれハワイ育ちで日米の文化・習慣・言語・法律を熟知していてきめ細やかな法務サービスが定評。
<取り扱い専門分野>
エステートプラン
トラスト・相続対策・夫婦間の財産分与
日米間の相続
資産形成・資産保全
<弁護士会登録(資格)>
ハワイ弁護士会会員 (2017年 ~ 現在)
カルフォルニア弁護士会会員 (2008年 ~ 現在)
ニューヨーク弁護士会会員 (2005年~現在)
<学歴>
2003年 チューレーンロースクール、法学修士号取得 海商法・海事法
2002年 チューレーンロースクール、法学修士号取得 国際訴訟法
2000年 明治大学一部法学部法律学科、法学士号取得 国際比較文化法
<所属団体・役員>
サンディエゴ簡易裁判所臨時裁判官(2016年 ~ 現在)
サンディエゴ・ノースカウンティ弁護士会: 代表取締役会長(2018年度)
サンディエゴ・ノースカウンティ弁護士会: 取締役・副会長(2017年度)
サンディエゴ・ノースカウンティ弁護士会: 取締役(2015年~2017年)
アメリカン・インズオブコート会員(2012年-2014年)
サンディエゴ裁判所メディエーター(2012年~2013年)
著者プロフィール詳細
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