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コロナ禍で競合上優位とされてきたGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)銘柄が、9月に入ってから軟調に推移している。コール・オプションを投機的に活用してきた個人投資家や機関投資家による「ポジション調整(買われ過ぎの反動)」とも解釈できるが、その一方で株式市場の物色対象に変化が起こっていることも見逃せない。
月初来で軟調に推移する世界株指数はGAFAM銘柄の下落による影響が大きい
MSCI世界株指数は月初来で軟調に推移している。これまでコロナ禍で競合上優位とされてきた超大型株のGAFAM銘柄の上昇が、9月に入ってから一転して下落基調となったことがその要因として挙げられる。GAFAM銘柄はコール・オプションなどを投機的に活用してきた個人投資家や機関投資家が物色していた銘柄だっただけに、今月に入って「ポジション調整(買われ過ぎの反動)」が起こった可能性がある。
しかし、MSCI世界株指数が月初来で下落しているとはいえ、その一方で上昇する銘柄も散見されるのが今回の調整局面の特徴だ。例えば、NYダウ指数における月初来の銘柄別騰落率をみると、Dow(化学)、Caterpillar(建設機械)、3M(コングロ)、McDonald’s(ファーストフード)、Nike(スポーツ用品)といった銘柄が上昇していることが分かる。これらの銘柄に共通して言えることは、シクリカル性(景気サイクルに対する感応度)が高い「景気敏感株」だということだ。
新型コロナワクチン承認を見越した動きか?
米国では新型コロナワクチン承認に向けて当局の動きが慌ただしくなっている。16日には米CDC(疾病対策センター)のレッドフィールド所長が11月から12月に新型コロナワクチンが供給される可能性について言及(トランプ大統領は10月から供給を開始できるとCDCの見解を否定)するなど、新型コロナワクチン供給の可能性が高まりつつある。
新型コロナワクチンが米FDA(食品医薬品局)によって緊急承認されれば、本格的な経済活動の再開が期待されることになるため、これまで注目されてこなかった景気敏感株を物色する動きが強まっても不思議ではない。
コロナ禍で競合上優位とされたGAFAM銘柄が売られる中で、景気敏感株が買われている状況を踏まえると、投資家はすでに新型コロナワクチンの早期承認を見越して、景気敏感株へ乗り換えはじめているとも解釈できる。だとすれば、GAFAM銘柄の下落は単純に「買われ過ぎの反動」だけではなくなるため、今後の運用戦略としては景気敏感株への分散投資も有効になる可能性がある。

※NYSE FANG+指数構成銘柄:AlphabetA、Apple、Amazon、Facebook、Netflix、Nvidia、Tesla、Twitter、Alibaba、Baidu
※MSCI世界株指数はMSCI World Gross Total Return USD Indexを使用
出所:ブルームバーグよりピクテ投信投資顧問作成
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『GAFAMが売られる中で「買われた銘柄」の共通点』を参照)。
(2020年9月18日)
田中 純平
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト
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