株式投資初心者にもおすすめ「分散投資」でリスク軽減
2020年、世界は新型コロナウイルス禍に見舞われました。一定期間人々が外出をしなくなったため、大きな打撃を受けた業種があります。
しかしその一方で、実は需要を大きく伸ばした業種もあります。そしてそれは、実際の需要供給だけでなく、株価にも反映されるものです。
そこで、そのような株式市場の特性を考察したうえで、業種別に個別銘柄株を買いリスクを分散する手法について説明していきましょう。
まず、株式投資ではよく、分散投資がすすめられます。少ない銘柄への集中投資をしてそれがうまくいかなかった場合、大きな損失を被ってしまいます。そこでそのリスクを避けるために、多くの銘柄に分散して投資をすることがすすめられるのです。
「卵は1つのかごに盛るな」という格言もあります。
卵を1つのかごに盛ると、そのかごを落とせばすべての卵が割れてしまいかねません。しかし複数のかごに卵を盛っておけば、もし1つのかごを落としてしまっても、そのかご以外の卵は被害を受けずに済みます。そういったたとえで分散投資をすすめているのが、この言葉なのです。
ただし、やみくもな分散投資では、そのメリットを享受できない場合があります。そこで次に、そんな分散投資の際の注意点について、考えていきましょう。
同業種・関連銘柄の株価は一斉に上下しやすい
冒頭のコロナショックの例をあげてみましょう。
感染拡大が始まり外出自粛が行われている期間は、人と人が対面するサービス業、交通・運輸業などが大きな打撃を受けました。
しかし一方で、マスクや消毒液は需要が急増しましたし、リモートワークと自宅での娯楽のためにユーザーを増やしたIT関連会社もあるでしょう。また、スーパーなどはどうしても行かなければなりませんので、利用者の減少には限度があったでしょう。それから、現時点(2020年9月15日)では実用レベルでの製品が完成したという報道はありませんが、ワクチンや抗ウイルス薬の開発に成功した製薬会社は今後、株価を急上昇させるのではないでしょうか。
また、そのような異常事態でなくても、業種別の景気の浮き沈みというのは必ず存在します。
自動車産業が好調の時期は、販売店や系列の部品メーカーまで、それに関わる業種が一斉に好況を迎え、株価もそれに合わせて上昇基調となります。しかし逆に不調の時期は、関連業種が一斉に下げる傾向が見られます。
IT業なども、1990年代後半からいろいろな会社が上場し、「IT関連ならば買い」という状況となって「ITバブル」が生まれました。しかし2001年になってそのバブルは弾け、以後は実体経済で生き残った優良企業のみが株価を維持・上昇させ続けています。
また、部品や素材メーカーなどは、世界中で需要が高まる時期と、需要が減る時期があり、それに応じで業績も上下してしまいます。そしてそれが循環する傾向もあり、したがって株価も、上昇基調にある時期と、下降基調にある時期を、わかりやすく示すこととなります。
要するに、同業種・関連銘柄の株価というのは、時期によって一斉に上下しやすいものなのです。そして、ある業種の銘柄株が上昇する時期・下降する時期、別の業種の銘柄株が上昇する時期・下降する時期は、循環することもあるのです。