なぜ株式投資をしているのか。色々な理由はありますが、「現金を得たいから」という動機に「No」という人はいないでしょう。では株式をいつ換金すればいいのか、きちんと意識している人はどれほどいるでしょうか。今回は、当たり前すぎて意識していない「株式の換金のタイミング」について考えていきます。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

株式投資の「予想外」は、現金化のタイミング

株式投資をする人ならば誰でも、株を売って現金化したいと考える時があるでしょう。しかし、それを株のまま保有し続けていたほうがよい時もありますし、逆に、やはり現金化したほうがよい時もあります。

 

■株式→現金のタイミング・その1:現金が必要な時

タイミングとしては、まず「現金が必要な時」。これはいうまでもないのかもしれませんが、念のためあげておきます。

 

株ではなく現金が必要な時は、もちろん株を売って現金化しなければなりません。

 

急な出費や大きな買い物をする時もそうですが、生活費に困り借金をしそうになった時や、借金を返すために現金が必要な場合も、株を即売却して現金を作るべきでしょう。株にしておけば配当を得られたり値上がり益を得られたりする可能性がありますが、現金が必要な時は、そういう未練は捨てるしかありません。

 

特に借金は利息を支払わなければならないので、返すべき借金を返さないでいると、傷口を広げることになりかねません。

 

そしてそれ以前に心に留めておくべきなのは、余裕のある資金で株式投資をするということです。全財産を1円残らず賭けるような投資では、「貧すれば鈍する」「溺れる者は藁をもつかむ」ということわざのように、冷静な判断力を失う可能性が高くなります。

 

まず一定の現金を残し、株式投資は余裕のある資金でするべきです。そしてそれでも現金が必要になった時は、迷わず株を現金化しましょう。

 

お金がなくても、株式があるじゃない※画像はイメージです/PIXTA
お金がなくても、株式があるじゃない※画像はイメージです/PIXTA

 

■株式→現金のタイミング・その2:予想以上のリターンがあった時

賢明な投資とは、ある程度のリターンを想定し行われるものです。もちろん1円単位での厳密な想定は不可能であり、一定の幅、余裕をもって行うのが一般的です。

 

しかし、その一定の幅を超える予想以上のリターンとなった場合、株を現金化するタイミングといえるでしょう。これは短期投資でも長期投資でも、キャピタルゲインだけで考えてもインカムゲインを含めて考えても同様です。

 

自分の想定のすべてを考慮して予想以上のリターンとなった場合、それは単に「運が良い」状況であり、今後は株価も配当金額も下落していく可能性が高くなります。

 

もちろん、その時点で保有する株式を再評価し、現状でも割高ではないと判断したならば、持ち続けてもよいでしょう。しかしそうでなければ、運良く予想以上のリターンとなっただけということになります。せっかくの好機に乗じて、値下がり前に現金化しておく決断をするとよいでしょう。

 

   

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