平均家賃、不動産価格は平均値を上回る
■桜新町の人口構造
国勢調査を中心に、桜新町エリアの人口構造をみていきます。
「桜新町」のある世田谷区の人口は90万人強。東京都の中で最も人口の多い自治体です。世代別でみてみると、都や23区平均よりも、15歳未満人口、高齢者人口が低かったりしますが、際立った違いはみられず、東京都の平均値に似た構造をしています(図表1)。一方で「桜新町」周辺も、世田谷区の平均と似たような構造をしています。桜新町エリアを歩けば、平均的な東京の姿がみられます。
世帯の状況をみていくと、単身者の割合は23区も世田谷区も「桜新町」周辺も似たような状況で、2世帯に1世帯は単身者世帯という状況。一方で、単身の高齢者世帯に焦点をあてると、世田谷区は東京都や23区平均よりも3%近く低く、また「桜新町」周辺ではさらにその割合は下がります。いわゆる独居老人の少ないエリアだといえるでしょう(図表2)。
持ち家率は、23区平均と比べて、4ポイント近く高く、2世帯に1世帯は持ち家というエリア(図表3)。またそれに関係するように、5年定着率も、駅近の利便性から「桜新町」周辺では若干低下するものの、世田谷区では5割ほどとなっています(図表4)。
■不動産マーケットの状況
桜新町エリアの家賃相場をみていきます。駅徒歩10分の1Kの平均家賃は7.43万円、11分を超えると6.34万円。駅近のエリアでは世田谷区の平均を4,000円近く上回っていますが、駅から離れると区の平均値に近づいていきます。「桜新町」周辺の駅距離による家賃下落率は区平均を下回る85.33%。エリア選定がより重要視されるエリアだといえます(図表5)。
1平米当たりの中古マンションの取引金額をみていくと、世田谷区は東京と平均を上回る81万円/㎡。さらに「桜新町」周辺は、都平均を10万円近く上回る、84万円/㎡で、平均よりも資産価値が高いと評価されていることがわかります(図表6)。
過去5年間の中古マンションの取引件数をみていくと、季節により変動はあるものの平均13件程度の取引きが行われています。またコロナ禍の影響下でも2020年第1四半期は15件と、過去5年の平均値を上回る取引きがされています。いまのところ、コロナ禍の影響をさほど受けていないマーケットだといえそうです(図表7)。