「損をしてしまうかもしれない」という考えから、株式を持たず、現金のみで資産管理している日本人は少なくありません。しかし、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 グローバル資産形成研究所は、現金だけで資産を管理することは「大変にもったいない」ことだと述べています。今回は、日本人が悪いイメージを抱きやすい「株式投資」の本質について解説します。

 

欧米では、経営者が受け取った自社株式について、数年(3年から5年)にかけて徐々に受け取る、一定期間は売却自体ができないなどの縛りがあるなど、自社株式の長期保有が前提となっていることが一般的です。これにより、経営者の報酬は3年から5年先の株価で確定するという仕組みが担保されています。これは2つのことを意味します。

 

1.経営者と株主は、長期的に同様の立場にある(同じ船に乗っている)

2.経営者は、企業の長期の業績に強い責任感を持つ

株式投資を通じて、経営者と「公平な立場」になれる

前述の話は、世界に名だたるグローバル大企業のトップである優秀な経営者と私たちは、株式投資を通じれば明日からでも近い立場に立つことができるといい換えることもできます。

 

グローバル企業の経営者になるためには、難しい採用試験をパスし、社内で何年も実績を残し続け、場合によっては複数の会社を通じてキャリアアップしていかなくてはなりません。また、そこに至るまでのチャンスは、だれにも平等に与えられるわけではありません。育った環境に影響を受ける教育や、新卒の就職時のタイミングでの景気の良し悪しなど、本人の努力では変えられないことも多々あるでしょう。

 

しかし、株式投資においては、どんな人であろうと、優秀で人望があると思われる経営者と、明日から近い立場になることができるのです。これは、とても公平で希望がある仕組みだと思います。

 

そして、この公平さこそが、私たちが株式市場に長期的に参加する本質的な価値になります。現在では、日本で売られている海外株式の投資信託を買うだけで、グローバルの名だたる企業の数百から数千名の経営者と同じ経済的立場に立つことができる環境も整っています。

 

「経営者と私たちが、株式投資を通じて同じ船に乗る」というのは、世界では当たり前の姿です。残念ながら、日本では、この世界の「当たり前」が身近にないことから、株式投資の本質を理解するのが大変難しい環境ともいえます。それにより株式投資をギャンブルと誤って捉えてしまったり、チャートなどを見ての短期売買に傾注しがちな一因とも考えられます。これは大変にもったいないことだと思います。

 

皆さんが株式投資を検討するときは、投資先候補の企業の国籍やビジネスを考える前に、経営者と「同じ船」に乗るという株式投資の本質をまず思い出してください。この「同じ船」という株式投資のしくみこそが、過去何百年に渡り、社会を豊かにし人々を幸せにしてきた原動力です。

 

そして、これからの社会を成長させ、便利に豊かにしていく主役も、今までと同様に民間企業(株式会社)です。皆さんが世界の優秀な経営者やアントレプレナーと同じ船に乗っていくこと(応援・モニタリングを実施すること)は、社会の成長を後押しすることになりますし、個人と社会を同時に豊かにしていくことにつながります。

 

今回は、株式投資における本質を考えるマインド・セットを、日本と海外の給与体系の違いを通じてご紹介しました。投資の本質を知り、腰を据えた資産形成を行えるように、人生100年時代の新しいマインド・セットをこれからも学んでいきましょう!

 

 

※本記事は、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社のインベスコ グローバル資産形成研究所レポート「100年時代のお金について考える」Vol.6として公開されたものです。

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