日本人が「投資は胡散臭い」という思考から抜け出せないワケ

副業の解禁や新型コロナウイルスの流行などにより、複数の先から所得を得る重要性が注目されるなか、未だに「投資は胡散臭い、損をするもの=悪」という考えを持っている日本人は少なくありません。インベスコ・アセット・マネジメント株式会社・グローバル資産形成研究所所長の加藤航介氏は、「日本人は不労所得にネガティブなイメージを持っていることが多い」と述べています。今回は、日本人が見落としている「投資」の本質について解説します。

投資とは、働かずしてお金を得ること?

「投資」と聞くと、単なるお金もうけを連想したり、その本質は「働かずして楽してお金を得る」と考えたりで、何だか後ろめたいと感じる方が多くいらっしゃるかもしれません。しかしながら、実際の本質はまったく異なるものです。

 

投資の本質とは?(画像はイメージです/PIXTA)

 

今回は、投資の本質、そのなかでも、なぜ投資から収入が得られるのか、投資が実体社会でどういう役割を果たしているのかを、考えていきたいと思います。

 

今までのマインド:投資とは、働かずしてお金を得ることである
新しいマインド:投資とは、社会を豊かにし、その豊かさの一部を得ることである

 

日本で投資について会話をすると、「投資とは不労所得である」という言葉をよく聞きます。そして、多くの場合、この「不労」という言葉にはネガティブな印象が込められているように感じています。日本は、「働く」ことに対して、大きな美徳を持っている社会です。昨今の働き方改革で多様な考え方が出てきてはいるものの、「長時間働くことは素晴らしいことだ 」と心の中で考えている方は、海外と比較すると相当に多いのではないかと感じます。

 

以前は、日本人の友人同士で集まった時に、自分がどれだけ仕事で忙しいのか(たとえば、仕事が忙しくてあまり寝ていない、休日も出社しているなど)という会話を聞く事がよくありました。そして、半ば、そのような苦労話を自慢げに話す方が、多いようにも思います。一方、私が海外で約10年間生活するなかでは、日本人以外の友人とそのような会話が続くことは、まずありませんでした。

 

頭の中で、汗水を垂らして働いてお金を得るという正しい行いの反対が、働かずしてお金を得る投資(不労所得)であり、それはすなわち悪いことだ、と無意識に考えている方もいらっしゃるように感じます。その延長線上で、ギャンブルでない、社会の豊かさに根付いた本来の正しい投資に対しても良い印象が持てない、という方もいらっしゃるように思います。

投資とはそもそも何なのか

そもそも、私たちが投資を行って、それによる収入を長期で得ることは、社会のために好ましくない活動なのでしょうか?

 

もし、そのようなマインド・セットを多くの日本人が持ち続ければ、日本が豊かさを失っていく時代が続いてしまうでしょう。なぜなら、投資の本質は、その真逆であるからです。

 

私は、「投資とはそもそも何ですか?」と聞かれると、「世の中の豊かさや幸せを作るタネ」と答えています。投資からの収入とは、投資により社会が長期で豊かになったときに、その一部を受け取ることにより得ることができます。植物にたとえると、投資というタネが、茎を伸ばし、花を付け、実を結ぶことで、果実、つまり投資におけるプラスの収入を受け取ることができるのです。

 

投資=世の中の豊かさや幸せを作るタネ
投資=世の中の豊かさや幸せを作るタネ

 

身近な例として、小学生のお子様を教育するという「投資」を考えてみましょう。多くの親御様はお子様のために、食事の支度をし、計算や漢字を教え、習い事に通わせるなど、たくさんの時間やお金を費やしていると思います。

 

これは、お子様が成長し、ゆくゆくは社会人として自立し、社会を豊かにしていくことへ貢献する大人になって欲しいと思われての事だと思います。企業に新入社員が入社した時の、新人研修なども同じく投資です。お客様へ良いサービスを提供し、社会を豊かにすることに貢献できるよう、それによって企業が成長できるよう、人材に投資します。

 

これらの投資が行われなければ、未来への成長も、その先にある豊かさも限定されたものになってしまうでしょう。つまり、投資というのは、社会を豊かにするために、必要不可欠なものです。

 

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インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 グローバル資産形成研究所 所長

幼少より、両親の影響から「世の中のしくみ」や「日本と世界の違い」について興味を持つ。大手日系資産運用会社にて日本株式アナリストとしてキャリアをスタート、その後、世界株式アナリスト、世界株式ファンドマネージャー、プロダクトマネージャーなどに従事し、資産運用業一筋20年。「投資の本質」を考えながら約10年間をロンドン、ニューヨークで過ごし、米州、欧州、アジアなど世界約30ケ国を訪れての経済・企業調査を実施。グローバル視点での社会のしくみ、世界の人々の多様なライフスタイルや幸せへの価値観について、豊富な知識を持つ。2015年1月、インベスコに入社、2020年2月より現職。米国コロンビア大学MBA(経営学修士)修了。米国公認会計士、ファイナンシャル・プランナー、証券アナリスト試験に合格(公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員)。一般社団法人 投資信託協会「すべての人に世界の成長を届ける研究会」客員研究員。「実経験が大切、顧客とは同じ船に乗る」との考えから、自らもグローバルな資産運用を行う投資家でもある。

著書に、お金と投資の付き合い方の本「世界を見てきた投資のプロが 新入社員にこっそり教えている 驚くほどシンプルで一生使える 投資の極意」がある。

 グローバル資産研究所ホームページ


http://www.invesco.co.jp/Institute_Global_Investment_Learning/index.html

著者紹介

連載インベスコ・グローバル資産形成研究所レポート「100年時代のお金について考える」

※本記事は、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社のインベスコ グローバル資産形成研究所レポート「100年時代のお金について考える」Vol.7として公開されたものです。

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