「節税」や「不労所得」を謳い文句に、多くの不動産営業マンが、サラリーマンにマンション購入を促しています。しかし、不安を煽られ、言われるがまま物件を購入した結果、利益どころか赤字になってしまう例が後を絶ちません。本記事では、大和財託株式会社の代表・藤原正明氏の書籍『改訂版 はじめての不動産投資成功の法則』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、実際の失敗例を見ていきましょう。

「将来の年金を確保できます」信じていたら事件が…

実際に購入してみると、毎月1万円近く手出しが発生する状態でしたが、その営業マンからは「今から毎月少しずつ負担することで将来の年金を確保できますし、確定申告すれば所得税・住民税の一部が戻ってきますので安心してください」と説明を受けていました。1年目は不動産所得が赤字となりましたが、給与所得との損益通算で税金還付がありました。

 

その後、すぐに追加で1室購入することになったのですが、1室目の購入から3年が経過したころ、ある事件が起きました。

 

家賃保証の契約を更新するにあたり、不動産会社から賃料相場の下落に伴い、保証家賃の金額を10%下げてほしいと連絡が入ったのです。それを聞いたAさんは困惑しましたが、「もし条件に納得がいかなければ契約を終了してもよい」といわれ、しぶしぶその条件で契約更新することにしました。もう1室についても同様に保証家賃減額の話が入り、すべて承諾することにしたそうです。

 

さらに、同時期に今度はマンション全体の管理費・修繕積立金の値上げの話も出てきました。当初から保証家賃からローンの返済費・管理費・修繕積立金を引くと、1室あたり毎月1万円程度の手出しがありましたが、これらの条件をのんだ結果、今ではトータル4万円となっています。

 

大手企業に勤務しているAさんは何とか支払いを続けられていますが、これ以上物件を保有してもメリットはないと考え、現在は2室とも売りに出しています。しかし、売値はローンの残債よりも低い査定しか付かず、足りない部分は貯金から一括返済しなければいけない状況で、売るに売れない状態です。最初に購入した物件の2回目の家賃保証の更新時期を迎えるAさんは、早く物件の買い手が現れるのを待ち望んでいます。

 

【事例2】Bさん 45歳 地方公務員 既婚(奥様、お子様2人) 大阪市在住

 

Bさんには大学進学を控えるお子様が二人います。住宅ローン(借入3,500万円)を抱え、ただでさえお金にゆとりがあると感じていないなかで、教育費の負担が重くのしかかることに頭を抱えていました。収入を増やすために副業をやろうにも、公務員という立場もあり、諦めていました。

次ページ「年収300万円から年収2,000万円へ!」甘い言葉に…
改訂版 はじめての不動産投資成功の法則

改訂版 はじめての不動産投資成功の法則

藤原 正明

幻冬舎メディアコンサルティング

多くの投資家を成功へと導いた不動産投資の教科書がリニューアルして登場! 東京五輪による地価上昇で人気に火がつき、なおも注目を集める不動産投資。しかし、実際に投資をはじめようとしても、はじめての人には分からない…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録