
職場で、家庭で、街で……。あなたのまわりになぜかいつもイライラしている人はいませんか? また、あなた自身も気分や体調、ストレスにより怒りが抑えられないという場面もきっとあるはず。「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事」を務める安藤 俊介氏が現代人のイライラに対処するテクニックを紹介します。本連載は、安藤氏の著書『あなたのまわりの怒っている人図鑑』(飛鳥新社)から一部を抜粋した原稿です。
特徴:ランク付けが大好きで、自分より下だと思っている相手に強い態度をとられると、より強い態度で怒り返し、自分が上だとわからせようとする。
Why? なぜ怒る:人間関係には常に上下があり、自分は上にいないとプライドを保つこと ができないため、その状態が脅かされると怒りで抵抗する。
狭い価値観の中で競い合いをし、勝手に優越感に浸る
マウンティングとは、動物が自らの優位性を示して相手に馬乗りになる行動のこと。人の場合、職業や年収、育ちなどをもとに「自分のほうが上だ」と優越感をアピールし、上から目線で相手を見下してくることをいいます。
人間関係には上下があり、常に自分の側が上位でないと気がすまないと思っている人に多い行為です。タワーマンションで高層階の住人が下層階の住人を見下したりするのは、文字通り「上下」が目に見えるので、わかりやすいマウンティングといえるでしょう。
この序列が崩されそうにな ると自尊心が傷つけられ、怒ったり相手をディスったりします。 もっとも、マウンティングが通用するのは同じ土俵に立っている者同士での話。マンションの階層に限らず、たとえば学歴や家柄、持ち物のブランド等を自慢しても、それらに関心のない人には、いくらマウンティングしても相手にされません。

この手の人は価値観が似通った狭い世界に生きているので、一歩外に出れば無害化されることが多いようです。また、マウンティング好きの人は、常にもっと上の人からマウンティングされる不安に脅えています。
不毛なマウント合戦から逃れるには、狭い価値観の世界から抜け出し、素のままの自分でも自信を持てることを見つけるしかありません。