職場で、家庭で、街で……。あなたのまわりになぜかいつもイライラしている人はいませんか? また、あなた自身も気分や体調、ストレスにより怒りが抑えられないという場面もきっとあるはず。「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事」を務める安藤俊介氏が現代人のイライラに対処するテクニックを紹介します。本連載は、安藤氏の著書『あなたのまわりの怒っている人図鑑』(飛鳥新社)から一部を抜粋した原稿です。

「アンガーログ」で自分の怒りパターンを知る

人は複雑なように見えて、案外ワンパターンで怒っています。毎日通勤電車の中でイライラする、上司のあの口癖を聞くとカチンとくる、特定の言葉を言われると頭にくる……。

 

毎日の行動を見てみると、実に同じパターンで怒っていることに気づきます。毎回どうして同じようなことでイライラするのだろうと思ったこともあるでしょう。人には怒り方の癖、パターンがあります。

 

それを見つけることで、怒りの感情と上手に付き合えるようになる確率はぐっと上がります。 怒りの癖やパターンを知るために行なうのが、アンガーログです。アンガーは怒り、ログは記録のことです。つまり、毎日、自分が怒ったことを記録しておくということです。

 

アンガーログのつけ方で一番特徴的なのは、イラッとしたり怒りを感じたりしたらその場で書くということです。日記は一日を振り返って、その日にあったことを書くものですが、アンガーログはそうではありません。一日に何度も怒りを感じるのであれば、その都度書き留めます。

 

また、記録をする時は直感的に書き留めるだけであって、そのことについての原因や解決策などは考えません。ただ、怒った出来事について記録をするだけです。分析などは後で行ないます。まずはその場で書くことだけに集中します。

 

書く内容は、日時、出来事くらいでOKです。もし書ければ、怒りの強度も書いておきましょう。その時に感じた怒りの度合いを記しておきます。

 

(画像はイメージです/PIXTA)
(画像はイメージです/PIXTA)

 

記録するものは手帳、ノートといったアナログな方法でも、メモアプリ、ショートメッセージを自分宛に送るというデジタルな方法でもかまいませんが、デジタルな方法であれば、記録した日時が自動的にわかるので見直す際に便利です。

 

はじめのうちは怒るたびにアンガーログをつけるのはハードルが高い作業だと思うでしょう。怒った瞬間、とっさにそのことをメモするなんて、そんな余裕はない、難しいと思って当然です。ですが、何ごとも慣れです。できる範囲で少しずつ始めてみてください。

 

最初から完璧は目指さず、できる中でできることをやるという姿勢でいるのが長く続けられるコツです。もちろん毎回できなくても気にしないこと。私も最初のうちはアンガーログをつけたり、つけなかったりの繰り返しでしたが、アンガーログをつけることに慣れてくると、特に意識をしなくても、さっとメモ帳を取り出し書けるようになりました。

 

一旦書けるようになると、書くのが面白くなり、どんどん記録していくという好循環となりました。自分のことを、ましてや自分の感情を記録することなどやったことがなかったので、思いのほか楽しいのです。

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あなたのまわりの怒っている人図鑑

あなたのまわりの怒っている人図鑑

安藤 俊介

飛鳥新社

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