どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、京王線「仙川」。

駅名は「せんがわ」、由来の川は「せんかわ」

「仙川」は、東京都調布市に位置する、京王電鉄京王線の駅です。1日の乗降数は8.2万人ほど。東京メトロ有楽町線・副都心線に「千川(せんかわ)」がありますが、こちらの読み方は「せんがわ」です。

 

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ただし、駅名の由来となった駅の北側にある仙川の読み方は「せんかわ」と、随分とややこしいことになっています。その由来は、三鷹市新川丸池公園にあった池が、とても水が湧いていたことから千釜と呼ばれていたことから、仙川に転じたとか、流域に仙人が住んでいたという言い伝えからとか、諸説ありますが、はっきりとしたことはわかっていません。

 

居住地を選ぶ際に、「東京のなかでも、電話番号が『03』でないとイヤ!」と、東京23区を神格化している人が一定数います。「仙川」駅があるのは、前出の通り調布市。新宿寄りの隣駅は世田谷区「千歳烏山」で、さらに駅北口、京王線と並行する甲州街道を渡って進むこと10分ほどのエリアは、調布市と面する三鷹市。仙川に住むことになったら、「もう少し新宿寄りなら世田谷なのに、わざわざ調布に住むなんて……」と、23区崇拝派の人は思うかもしれません。

 

ところが、仙川周辺は、調布市ですが、電話番号は「03」。なぜそのようなことになったのか、実ははっきりとした記録は残っていませんが、昔、電話回線が世田谷の電話局から敷設されていた名残ではないか、というのが大方の見方です。

 

仙川の街のメインは南口。半地下構造のホームから改札を出ると、洗練された街並みと、おしゃれなショップが立ち並ぶ街が広がります。どちらかというと庶民的なイメージのある京王線ですが、仙川はあるテレビ番組で「調布の自由が丘」と紹介されるなど、沿線でも屈指の人気を誇るエリアになっています。

 

もともとは、細い路地に多くの商店がひきしめあう、下町の雰囲気が漂う街でした。その名残を感じさせてくれるのが、駅の西側を南北に延びるメイン通りに200以上の店舗が集まる仙川商店街、別名「ハーモニータウンせんがわ」。古くからの個店に、カフェや雑貨店など今どきの店が混在し、地域活動も盛ん。イベントも多く開催される、賑わいが感じられる商店街です。

 

商店街に隣接するエリアは区画整理され、高級スーパーの「クイーンズ伊勢丹」があったり、おしゃれなカフェが立ち並んでいたりと、スタイリッシュな雰囲気が漂います。さらに近隣には白百合女子大、桐「桐朋学園大学音楽学部」や「白百合女子大学」と名門校があり、上品なイメージを醸成させるファクターになっています。

 

「仙川」駅前/PIXTA
「仙川」駅前/PIXTA

 

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