母親が公正証書遺言を遺していたにもかかわらず、兄(長男)と妹(長女)が「争族」に発展してしまったケース。放蕩息子だった兄は母の生前、散々迷惑をかけてきたこともあり、遺言には財産の大半を妹に遺すと記されていました。自分の相続分がわずかな現金だけだと知った兄は激怒し、自らの遺留分を確保するため奥の手を使った。 ※本記事は、一般社団法人相続終活専門協会代表理事・江幡吉昭氏の書籍 『プロが教える  相続でモメないための本』(アスコム)より一部を抜粋したものです。

お金で壊れた関係を回復させたのは「お金」だった

「払い過ぎた相続税が戻ってくるみたいなので、お兄ちゃんもここにハンコ押して」と連絡をしたのです。もちろん義弘さんも、小百合さんと口など利きたくないと思っていましたが、自分にもお金が入ることが分かると、最終的には協力しました。

 

相続税の一部である1000万円弱が戻ったことで、これまで凍り付いていたふたりの関係が、少しずつ溶け始めたようです。小百合さんの方が還付額は多かったのですが、義弘さんも想定外のお金が入ったことがうれしかったようです。お金が理由でおかしくなった家族関係ですが、再びお金が縁を取りもつことになりました。

 

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意外かもしれませんが、こうした更正の手続きがきっかけで人の絆が修復されることもしばしばあります。土地を多く保有されている地主の方は、相続当初の土地評価が正しかったかどうか、専門家にセカンドオピニオンを取ってみるとよいでしょう。なお、更正の請求は、基本的に申告期限から5年以内が期限となっていますので、その点だけはご注意ください。

 

争族を避ける対策⑥ 更正の請求で相続税を取り戻す

 

相続税は被相続人の死後10カ月以内に現金で納めなければいけないため、正確な土地評価がなされないまま相続税額を申告してしまうことが少なくありません。その結果、本来の時価より大幅に高い評価額をもとに相続税を納めてしまうことが、ままあるのです。ここで気をつけなければいけないのは、税金の話だからといって、あまり深く考えず、会計専門の税理士に相談してしまう失敗です。

 

税理士は税金全般のプロでありますが、必ずしも土地評価のプロではありません。そのため、現地へ足を運ぶこともなく、書類上の数字(土地の面積)に路線価をかけて、単純に土地価額を評価してしまうことが、ままあります。

 

しかし、実際には土地の形が整っていなかったり、道路との高低差があったり、間口が狭かったり、さまざまな理由で路線価より評価額が低いことが多いのです。評価額が低ければ、それだけ税金も安くなるはず。

 

特に、自宅の土地以外に複数の土地をお持ちの場合は、相続税を払いすぎている可能性が高いようです。そのような場合は、ぜひとも税法と土地鑑定の両方に詳しい専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。この事例のように、冷え込んだ家族関係が修復するきっかけになるかもしれません。

 

【争族を避けるポイント】

1.セカンドオピニオンを受ける

2.すべての税理士が相続税に詳しいとはいえない

3.相続税の申告期限から5年以内なら更正の請求を

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プロが教える 相続でモメないための本

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江幡 吉昭

アスコム

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