配当利回り重視なら「1.6%」を上回る企業に投資する
株式投資を検討する際、株主優待の他に企業の配当に注目する投資家は少なくありません。配当とは、企業が生み出した利益の一部を株主に還元するものです。長期で投資を保有し、安定的な配当収入を重視する投資家にとって、配当金は重要となります。
一口に配当といっても、配当金や株価は銘柄ごとに異なるため、配当利回りも変わります。
A社の株価が500円、B社の株価が1000円とし、A社、B社ともに10円の配当が出る場合、A社のほうが配当利回りは高くなります。
【配当利回りの計算式】配当金÷株価×100=配当利回り
A社の配当利回り配当金10円÷株価500円×100=配当利回り2%
B社の配当利回り配当金10円÷株価1000円×100=配当利回り1%
東証1部銘柄の予想配当利回りの平均値は、2015年10月現在で約1.6%です。配当利回りを重視する際は、それを上回る企業を投資対象とします。
市場には大型銘柄の中でも、配当利回りが4%や5%を超える企業もあります。ただし高い配当金を受け取る権利を得ても、権利落ち後には理論上、配当と同等分、株価は調整します。
株価はその他の株価材料によっても変動するため、配当と全く同じとはなりませんが、この点には気をつける必要があります。買値より下がってしまい、含み損を抱えてまで、高い配当を得る必要はありません。
配当以外にも自社株買いなど、様々な株主還元方法がありますので、自身の投資スタンスに合った還元方法を実施する企業を選定する必要があります。
企業のカラーがはっきりと出る「決算説明会資料」
末長く優待品をもらいたい、長期保有のインセンティブが欲しいという場合、長期で株式を保有することになります。長期保有は株価の変動リスクだけでなく、企業の倒産や上場廃止といったリスクも時間と共に増加することになります。
そのため、事前に投資先の企業が健全に経営できているか、詳しく確認する必要があります。
業績をいち早く確認するには、企業が決算発表時に共通形式で開示する決算短信でチェックします。決算短信は、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)などの決算情報を最も早く確認することができる資料です。
決算短信には、対象期の企業の「売上高」、本業の儲けを示す「営業利益」、本業以外の損益も加えた「経常利益」、最終的な利益を示す「純利益」など、経営成績が記載されています。他にも、自己資本比率などの財務状態を確認することもできます。
企業によっては決算短信以外にも、決算説明会資料を用意する場合があります。グラフや図表でわかりやすく業績を把握でき、事業ごとの売上推移、将来予測などを細かく確認することができます。初心者の方は、決算短信よりも決算説明会資料のほうが企業のセンスや特徴を読み解きやすく、理解しやすいと思います。
決算説明会資料は、投資家にわかりやすく決算内容を補足・伝達するための自由形式の詳細資料です。言わば企業のプレゼンテーション資料と言えます。デザインや色使い、構成内容などに、企業ごとのカラーがはっきりと出ている点が興味深いです。
その企業の業績はもちろんのこと、今後の注力事業や経営方針、株主への還元方法についてなど、決算説明会資料で確認してみましょう。