独身50代男が「築古マンションで孤独死」遺体の腐敗は進み… (※写真はイメージです/PIXTA)

本記事では、多くの個人投資家にコンサルティングを行い、不動産投資の方法を提案する、株式会社カクセイの平山智浩氏・渡辺章好氏の共著『失敗例から学ぶ 儲かる不動産投資の極意』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、不動産投資の実態を紹介します。

男性の孤独死…部屋には臭いが染みついていた

【入居者の孤独死】

 

高利回りで購入した築古マンションで起こったトラブルです。このマンションには長く住んでいる入居者が複数いますが、高齢者や独身の男性が多いようです。つい先日、50代の男性の突然死がありました。連休だったこともあり、勤め先の人が様子を見に来るまで1週間ほどあり、遺体はだいぶ腐敗が進んでいました。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

部屋には臭いが染みつき、床がだいぶ傷んでいます。リフォーム業者に見てもらったところフローリングとその土台まで換える必要があるということ、また長期入居だったため水回りもすべて交換となり、総額で100万円以上かかります。

 

身寄りのない方ではありませんが、独身でご両親が高齢ということもあり、損害を賠償する能力もなさそうです。管理会社に相談したところ、経年劣化分を含めると、請求できるのは一割程度とのこと。それも支払ってもらえる保証はありません。そうなると完全に赤字です。いったい、どうしたら良いのでしょうか。

 

 

◆高齢者ではなく中年のほうが孤独死しやすい

 

入居者の死は、どんな物件であっても起こりうるリスクの一つです。よく高齢者に対して孤独死を心配される不動産オーナーが多いですが、後期高齢者ともなれば、介護サービスを受けたり、体調の問題から定期的に病院に通うなど、何かしら外部との接点を持ちます。地域の高齢者サークルに属していて、急に顔を見せなくなれば「どうしたのだろう?」と気にかける友人もいるでしょう。

 

これが50代60代の単身者で身寄りがなければ、誰からも目をかけてもらえない可能性があります。とりわけ男性は、女性に比べてコミュニティに属さない人が多いようです。家族の存在がない、あるいは顔を出せないなどの理由から、どんどん世間から孤立してしまいがちです。

 

孤独死はそのような人に起こりがちです。意外にも50代の独身男性が突然死するケースが多いそうです。

 

何の前兆もなく働き盛りの人を襲う突然死は、「予期していない突然の病死」を指します。発症から死亡までの時間が24時間以内という医学的定義がされており、突然死の原因には、心不全、急性心筋梗塞、狭心症など心臓病によるものが多く、ほかに脳血管障害、消化器疾患などもあるそうです。突発的に倒れても、発見が早ければ助かることも多い反面、一人暮らしの部屋で誰にも看取られず亡くなるケースもあり、日数が経過してから遺体が発見されることもあります。

 

一番の問題としては、遺体が腐敗すると一般的な原状回復リフォーム程度では、部屋が元に戻らないということです。遺体のあった床をはがしたところ、そのまた下地まで脂染みが人の形になっていると聞きます。もちろん、臭いも染みついて何カ月もとれません。こうなると特殊清掃や大がかりなリフォームを行わなくてはいけません。

 

この孤独死の問題をより深刻にしているのは、亡くなった後に誰も頼れる人がいないときです。遺品の整理といった残置物の処理やリフォーム代金の請求などが行えず、困っているオーナーも多くいます。こうした孤立死の増加に伴い、リスクに備えるための保険もあります。

 

●「孤独死」保険補償の例

・原状回復費用保険金…遺品整理費用、清掃・消臭費用、死亡事故によって破損・汚損が生じた箇所の修復費用を1事故最大100万円まで補償。

・家賃保証保険金…空室期間や値引き期間の家賃を、最長12カ月間、1事故最大200万円補償。

・事故見舞金…死亡事故が発生したものの、破損・汚損等がなく、被保険者の費用負担が生じないなどで原状回復費用保険金の支払い事由に該当しない場合に5万円(定額)の見舞金を支払う。

「瑕疵物件」と判断されない基準は…

◆「瑕疵付き物件」となるリスク

 

孤独死でも、早急に発見されて病死ということであれば事故にはなりません。例えば、その日の午前中に亡くなり、午後に発見でもされて病院に搬送されるようなケースでは、瑕疵物件にはなりません。

 

それは相当にまれなケースで、多くは遺体が腐敗するまで気がつかず、部屋の中から死臭が出てから初めて発見されるということが多いです。

 

このように、時間が経過してしまうと、たとえ病気が原因で亡くなったとしても、警察からは不審死として扱われてしまうのです。これは本当に大きなリスクです。部屋で人が亡くなったことは、告知事項となり、入居募集の際、伝えなくてはいけません。そのため、家賃を3割程度下げて募集することになります。

 

※告知事項…「事前に知っていたら部屋を借りなかっただろう」と思われる事実のこと。一般的にはその部屋で自殺や殺人などが起きた場合に該当する。こういった部屋は「事故物件」「心理的瑕疵物件」「瑕疵付き物件」などと呼ばれ、事故の事実があれば、契約前に行われる「重要事項説明」で内容が知らされる。

 

賃貸は入居者が回転していけば、告知をしなくてもよくなりますが、これが売買になると絶対についてまわります。売買するときには、事故があった事実を告げなければいけないため、一度事故が起これば、ずっと「瑕疵付き物件」として扱われます。そのため、買った値段では売れない可能性が高いのです。

 

こうした入居者のリスクをしっかりと理解してから買っているのか買っていないのかにより、その人の投資計画における安定に大きく影響を与えてしまいます。

株式会社カクセイ 代表取締役 宅地建物取引士・CPM®(米国公認不動産経営管理士)MPSA合格者

東京都出身。レーサムリサーチ(現社名レーサム)にて富裕層に対する収益不動産のコンサル営業に従事。他に買取再販事業の不動産会社での収益不動産仕入業務、人材コンサル会社での不動産.建設業界のヘッドハンティング業務を経験するなどして培った幅広い人脈を活かし、投資家の要望に応える投資提案を得意としている。

著者紹介

株式会社カクセイ マネージングディレクター・COO 宅地建物取引士・公認 動産コンサルティングマスター・相続対策専門士・CPM®

不動産コンサルティング会社でワンルームから一棟アパート・マンションの売買・管理業務を経験、2013年からは講師としても活動し、年間200名超の投資家と面談して得た体験をもとに不動産投資の失敗事例から学ぶセミナーを開催、本作に寄稿する。

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