新宿、渋谷、池袋…歓楽街で多い凶悪犯、粗暴犯
続いて、犯行種別にみていきます。まず殺人、強盗、放火などを含む「凶悪犯」(図表2)。「新宿区歌舞伎町2丁目」「新宿区新宿3丁目」「新宿区歌舞伎町1丁目」と、トップ3を、「新宿」駅東口エリアが独占しています。トップの「歌舞伎町2丁目」は、歌舞伎町の玄関ともいうべき1丁目の奥、風俗店やラブホテルが多いエリアで、凶悪犯の件数は頭ひとつ抜けたエリアです。
4位「墨田区江東橋3丁目」は、「錦糸町」南口の歓楽街のエリア。錦糸町は「東の歌舞伎町」と例えられることもある街なので、驚きはないでしょう。
同率4位の「新宿区市谷薬王寺町」は都営地下鉄「牛込柳町」の南側、防衛省からも近いエリア。なぜ凶悪犯が多いのか、今回は説明を省きます。
トップ20は、新宿、渋谷、池袋のほか、銀座や六本木など、いわゆる「夜の街」と呼ばれる地域。治安が悪い街と聞いて、頭に浮かぶ街だといえるでしょう。
暴行、傷害、脅迫、恐喝などを含む「粗暴犯」においても、同じ傾向にあるといえます(図表3)。トップ3は、安定の「新宿」駅東口の地域。飲食店の多い「歌舞伎町1丁目」のほうが、お酒に絡むトラブルが多いからでしょう、粗暴犯ではトップになりました。同じように新小岩や新橋、上野など、飲食店の多い地域は、粗暴犯が多くなる傾向にあるよう。
珍しいところでは、13位「港区高輪3丁目」。「品川」駅西口、北西のエリアですが、飲食店の多い歓楽街というイメージはないものの、事件数は増加傾向にあります。近年「品川」駅は利便性が向上し、利用者も増加しています。このことも、粗暴犯の増加に関係していると考えられます。
空き巣が多いのは、駅チカの建物密集地
金庫破り、空き巣、忍込みなど「侵入窃盗」は、前出の凶悪犯や粗暴犯とは、様相が違ってきます(図表4)。トップは総武線「浅草橋」駅北側の「台東区浅草橋2丁目」。2位は「四ツ谷」駅の西側、新宿通りから一本奥に入った「新宿区若葉1丁目」、3位は「池袋」駅西口の北西、飲食店が集まるエリアのさらに奥の「豊島区池袋2丁目」。
共通しているのは、路地が狭く、建物が密集している地域であること。雑居ビルと賃貸マンションが混在し、住民のライフスタイルもさまざま。空き巣に入りやすい環境にあるエリアだといえます。
上位の地域も、同様のことがいえます。駅チカで利便性が高くも、地域コミュニティが希薄な地域は、侵入窃盗に要注意と心得ておきましょう。