最も犯罪が多いのは、日本一の繁華街「新宿」
ひと口に東京といってもさまざまな街があり、さらにひとつの街のなかでも、エリアによって大きく印象が異なります。「駅のこちら側は雰囲気がいいけど、その反対はキケンなかおりがする……」ということも珍しくありません。
地域の安全性を考えていくのに役立つのが、警視庁が公表している「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」です。地域で発生した犯罪の件数を、手口別にみていくことができ、検討エリアの治安を客観的に捉えることができます。
もちろん、数字が良ければ絶対に犯罪に遭遇しないとはいえませんし、数字が悪いからといって犯罪に巻き込まれるとも限りません。ただひとつの判断基準として、知っておいて損はないでしょう。
まずは犯罪認知件数の総数(図表1)をみていきましょう。ワースト1は、「新宿区新宿3丁目」。繁華街・新宿のなかでも、百貨店やショップが集積し、最も人通りの多いエリアです。続いて渋谷・センター街を中心にNHKに至る、渋谷の中心的エリア「渋谷区宇田川町」。3位は「新宿区歌舞伎町1丁目」。日本一の歓楽街、歌舞伎町の入り口にあたり、多くの飲食店が集積しているエリアです。
上位は新宿、渋谷、池袋と、飲食店が集中しているエリアで、実際に飲みに出かけたこともある街ではないでしょうか。なかには、トラブルに巻き込まれたり、ヒヤッとする場面に遭遇した人も多いかもしれません。誰もが「治安は良くない」と感じるエリアなので、結果に意外性はないでしょう。
10位以内で、3地域以外は以下の2地域。街の雰囲気は異なりますが、利用者の多い駅やその隣接地域で、東京23区のなかでも人通りの多いエリアです。
6位「千代田区丸の内1丁目」:「東京」駅と、駅丸の内側北西、「新丸の内ビルディング」含むエリア
7位「大田区蒲田5丁目」:「蒲田」駅東口、細い路地に飲食店が集積するエリア