どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、東海道新幹線、JR横浜線、 横浜市営地下鉄ブルーラインの「新横浜」。

「こだま」のみ停車から、「ひかり」も停車する駅へ

「新横浜」は横浜市港北区に位置する、東海道新幹線、JR横浜線、 横浜市営地下鉄ブルーラインの駅です。新幹線駅の1日の乗車数は3.3万人、横浜線は6.5万人、地下鉄駅の乗降客数は7.4万人ほど。2022年には、東急・相鉄新横浜線の「新横浜(仮称)」駅が開業予定で、相鉄本線「二俣川」方面と東急電鉄東横線「渋谷」方面、目黒線「目黒」方面とダイレクトに結ばれます。

 

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もともと駅のあるあたりは「勝負田」と呼ばれていました。由来には諸説ありますが、ひとつが「農地としては不適切な土地だったから」というもの。通常の田んぼであれば稲を刈った後に二毛作が行われますが、「新横浜」周辺は、麦などを作れない条件の悪い土地でした。冬は農民が集まり博打をして遊んでいましたが、農民はお金がないので代わりに田んぼを賭けていた……そんなエピソードから「勝負田」との名前がついたというのです。

 

ほかにも「菖蒲が繁茂(はんも)する沼沢地だったから」という説も。実際「新横浜」駅周辺は低湿地帯であり、鋭角に曲がる鶴見川の影響で洪水が多発していました。そんな土地に新幹線駅ができたのが、前回の東京五輪イヤーである1964年。東海道新幹線には開業時12の駅があり、新駅が建設されたのは、「新横浜」のほか、「新大阪」と「岐阜羽島」の3駅でした。

 

本家の「横浜」から5km以上も離れた「新しい横浜」ですが、『港北区史』では「のどかに白鷺が舞い、蛍が飛びかっていた水田は埋め立てられて、広大な駅舎が建ち、バスターミナルができ、飲食店やホテルなど数多くの建物がたち並んだ」といっています。

 

当初は「こだま」しか停まらなかった駅でしたが、1976年、1日1往復する「ひかり」の停車駅に。1985年、横浜市営地下鉄が開業するころには、1時間あたり2本に拡大。徐々に新幹線駅としての地位は向上していき、2008年には、すべての「のぞみ」「ひかり」が停車するようになりました。

 

新横浜駅ホームに入線する新幹線/PIXTA(撮影日時 :2016/12/17)
新横浜駅ホームに入線する新幹線/PIXTA(撮影日時 :2016/12/17)

 

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