本記事は、税理士である関博氏の書籍『家族のトラブルをゼロにする 生前の相続対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再構成したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

お香典返しや法要の費用は「控除」の対象になる?

■葬儀にかかる費用の扱い

 

「お墓は生前に用意しようと思うのですが、葬儀費用のことが心配で……」

 

美千子が訊ねた。

 

 

「その分は課税される時に控除されるのでしょうか?」

 

「はい。相続では被相続人が所有していた財産だけでなく、借金や未納の税金などの債務も相続することになります。これらの債務は、相続財産から控除することができます。葬儀にかかった費用も、この債務として相続財産から控除することが可能です」

 

「でも実際にお葬式となるといろんな費用がかかりますよね。たとえば、お香典返しや初七日、四十九日の法要なんかも、親戚に来てもらってお食事を出したりするとそれなりの出費だと思うんですけど」

 

「おっしゃる通り葬式費用といってもいろいろな内容がありますので、葬式費用と認められるものと認められないものは次のように分類されています」

 

由井は資料を取り出した。

 

【葬式費用として認められるもの】

① 通常のお通夜、葬儀の費用

② お布施

③ ①②の他、葬式の前後に生じた費用で、通常の葬式に伴うものと認められるもの

④ 死体の捜索または死体もしくは遺骨の運搬に要した費用

 

【葬式費用として認められないもの】

① 香典返戻費用

② 墓碑や墓地の買入費用または墓地の借入料

③ 初七日や四十九日など法要の費用

④ 医学上、または裁判上の特別の処置のための費用(遺体解剖費用)

 

「美千子さんが心配されているお香典返しや法要の費用は残念ながら含まれません。あと葬儀社への支払いなどの領収書、請求書は保管する必要があります。寺などからは葬式費用の領収書が入手できませんので、金額等をメモして保管しておいてください。このように『相続税申告の準備は葬儀から始まっている』といっても過言ではありません」

 

◎ワンポイント:葬式費用の準備

相続が発生すると葬式費用等多額の現金が必要となります。貸金庫等を利用されている場合には、思い切って300万円程度を銀行から引き出しておくと何かと便利です。ただし後で他の相続人ともめないよう出納帳を作成し、残金は相続申告の際に戻しておくことを忘れないようにしてください。

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家族のトラブルをゼロにする 生前の相続対策

家族のトラブルをゼロにする 生前の相続対策

関 博

幻冬舎メディアコンサルティング

平成27年1月、改正相続税法が施行されました。中でも基礎控除の4割縮小により、今まで相続税がかからなかった家族も課税されるケースが増えることが話題となっています。うちの家族は仲がよいから大丈夫、あるいは財産が多くは…

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