年金「25万円」の夫婦…65歳妻の「長年の隠しごと」に夫絶句

本記事は、税理士である関博氏の書籍『家族のトラブルをゼロにする 生前の相続対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再構成したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

年金暮らしの夫婦「貯金はある」と油断していたが…

〈主な登場人物の紹介〉

亀山源太郎(69歳)・・・亀山家の主。一部上場の食品メーカーを退職後、悠々自適の日々を送っている。最近、健康診断で脳に血栓が見つかり、医師からは経過観察が必要と告げられたことから相続について考えることが多くなった。

 

亀山美千子(65歳)・・・源太郎の妻で、専業主婦。夫の検診結果から将来について不安を抱えるようになる。

 

由井満(58歳)・・・Y相続センター所長の税理士・公認会計士。これまで800件以上の相続申告を手がけてきた。専門家として亀山家の相続対策をサポートすることに。

 

■妻と夫の間にも思いの違いがある

 

源太郎はテーブルの上に広げた旅行雑誌に目を落とした。「相続のことがすんだら、行ってみようよ」ビールとつまみを運んできてくれた美千子に、「地中海周遊10日間プラン」のページを示す。

 

 

「ヨーロッパはお金がかかるから……」「いいじゃないか。たまにちょっとくらい贅沢しても生活に響くわけじゃなし」

 

退職金は一部を住宅ローンの返済に回したが、7割程度は残ったので貯金してある。他にファンドなども持っている。夫婦二人の生活費は厚生年金で賄っており、家の補修や、海外旅行などの大きな出費以外で貯蓄を切り崩すことはない。

 

「私だって買いたいものや行きたいところはあるけど我慢してるのよ。月々の年金でやり繰りするのは楽じゃないんだから」「だからそんなに我慢しなくてもいいじゃないか。貯金もあるんだし」

 

「それはちょっと自分勝手でしょう」珍しく美千子が気色ばんだ。

 

「どちらが先かはわからないけど、あなたが先に亡くなった時には、私はどうやって生きていけばいいの?」

 

源太郎もそのことについて考えたことがないわけではない。美千子が一人になっても現在支給されている年金の半額が遺族年金として支給される。自宅は持ち家だから家賃は要らない。ある程度の貯蓄が残っていれば暮らしに困ることはないだろう。そう思ってきた。

 

「ある程度ってどのくらい?」

 

問い詰められて源太郎は返答に窮した。一家の財布を美千子に任せてきただけに、老後資金はどのくらい要るのか、さっぱりわからない。

 

「ギリギリに切り詰めなきゃ暮らせないというのでは辛いわ。それに、もし認知症になったり身体が不自由になったりしたら、介護施設に入所することも考えないといけないでしょ。私とあなたのお葬式費用だって私たちの財産から出さないといけないし」

 

「そのあたりのことも、由井先生に訊いてみるか」

株式会社関総研結い相続支援センターアズタックス税理士法人 代表公認会計士・税理士

1948年生まれ。香川大学経済学部卒業後、大阪国税局に入局。等松・青木監査法人(現有限責任監査法人トーマツ)を経て、1978年関公認会計士事務所を開設。1983年に株式会社関総研を設立、2004年には株式会社関総研財産パートナーズを設立、そして2013年10月大阪証券取引所ビルに相続・資産管理支援専門の「結い相続支援センター」を開設した。日本M&A協会副理事長。

著者紹介

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関 博

幻冬舎メディアコンサルティング

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