「破産するにも金が要る」ニッポン中小企業を苦しめる裏の存在

本連載の執筆者・吉岡憲章氏は、60歳を過ぎてから多摩大学大学院の門戸を叩き、77歳で経営学博士号を取得した。1000社を超す中小企業の経営改革の実践的指導・支援を行っている同氏は、『定年博士 生涯現役、挑戦をあきらめない生き方』(きずな出版)にて、博士号を獲得するに至った自身の経験談を記している。

弁護士が「破産しかないですね」と簡単に言い放つワケ

■死を宣告された会社を生き返らせる

 

少しばかり、専門的で難しい説明をしますが、しばらくおつき合いください。もし、あなたが中小企業の経営者や幹部でしたら、直面している問題かもしれません。

 

国税庁の発表によりますと、2017年度における普通法人(協同組合や公益法人を除いた法人)269万4000社のうち赤字決算だった法人は約168万7000社で、62.6%が赤字会社ということでした。つまり、中小企業3社のうち2社は赤字ということです。

 

倒産する中小企業が後を絶たない背景には…(※写真はイメージです/PIXTA)
倒産する中小企業が後を絶たない背景には…(※写真はイメージです/PIXTA)

 

さらに、中小企業を取り巻く経済、経営環境は、10年以上にわたって絶えず前期より悪い景況感が続いています。つまり、中小企業の景気は年ごとに厳しくなっているということです(中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」による)。

 

このように、中小企業の景況はまだ底入れをしておりませんし、大企業と中小企業は別物と考える必要があります。何だかんだ言ったところで、多くの大企業はたっぷりと利益を出し莫大な内部留保を蓄えています。

 

中小企業は、このように恵まれない景況の上に、人財的にも資金的にも、経営スキルの面からも大企業と比較にならないほど脆弱(ぜいじゃく)です。それに加えて、中小企業に対する経営指導・支援する側にも問題があります。

 

弁護士や税理士が、経営再生の指導にあたることがよくあります。しかし、弁護士は法律の専門家であっても、経営の専門家ではありません。税理士も、税金の専門家であり財務諸表をつくることについてはプロですが、残念ながら経営についてはほとんど理解できていません。

 

これは、彼らの事業の目的が〝経営〞ではないから当たり前のことです。多くの弁護士は、これは厳しいとなったら「破産しかないですね」と簡単に言います。

 

なぜなら、破産をさせますと、弁護士としてその手続き等で裁判所に出す予納金とほぼ同じくらいのフィーを受け取ることができるからです。ほんの少しの手間で何十万、何百万というお金が弁護士の懐に入ります。こんなうまい仕事はありません。したがって、破産する必要のないケースでも破産に導くことがあるのです。

 

知り合いの弁護士に、この話をしますと、彼らはニヤリと笑って、「実はそうです」と白状します。もちろん例外の弁護士もいます。

 

このお金は誰が払うのか?といえば、それは当然のことですが、企業が払います。お金がなくて破産するのに、その破産するにも大金がいる現実を納得できますか?

未来事業株式会社 代表取締役 日本経営学会 会員
日本ドラッカー学会 会員

1941年生まれ。早稲田大学第一理工学部電気通学科卒。2011年、70歳で多摩大学院に入学。2014年、73歳でMBA取得。2019年、77歳で多摩大学院経営情報研究科博士課程後期修了。経営情報学博士(Ph.D.)取得。

自らの体験に裏づけされた独特の改革手法により、1000社を超す中小企業の経営改革の実践的指導・支援を行い、数多くの企業を“ 一年間で赤字脱却・健全経営" へと導いており、“ 常識破りの再建請負人"と称されている。経営者、金融マン、税理士・コンサルタントなど専門家を対象にした講演会、セミナーは年間30回を超える。

著者紹介

連載定年博士~生涯現役、挑戦をあきらめない生き方

定年博士 生涯現役、挑戦をあきらめない生き方

定年博士 生涯現役、挑戦をあきらめない生き方

吉岡 憲章

きずな出版

「心打たれる『知の再武装』への挑戦。一次元上の力を得て、中小企業経営に貢献する姿に敬服。」 77歳で経営学博士号を取得! 1000社以上の中小企業を救い、「常識破りの再生請負人」と称された著者は、なぜ60歳を過ぎて…

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